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[#5] 結婚記念パーティの謎解き公演をほぼ1人で作り上げた話 【シナリオ執筆 続き】

謎を作る人の名刺ってよく謎が載ってますよね。カナンです。

この記事は前回の記事の続きです。下記のマガジンにこれまでの記事が載っているので、ぜひ最初の記事から読んでみてください。

前回、叩き台としてあったシナリオに客観的な疑問点をひたすらぶつけ、それらをとにかく解消するような肥大化したシナリオを書き上げました。

これからそのシナリオをどんどん整えていき、締まりのあるシナリオに仕上げていきます。

ちなみに、その肥大化したシナリオをまたここに書くととんでもない文量になってしまいますので、前回の記事の最後に書かれたシナリオに目を通しておくとよいかもしれません。

リバイズ・第一段階

肥大化シナリオを読んで、自分が参加者だったらモヤッとするだろうなというところをとにかく書き出していきます。

リバイズ案

最後の提出先は郵便屋さんではなく、やっぱり裕美さん、太郎さんの二人にしたい
→ 「婚姻届が出来た!はいどうぞ!」と二人に直接受け渡すほうがストーリー的にも自然。
解説中に時代をもとに戻すので、制限時間終了後に京都に行ったとしても辻褄は合う。

タカタ先生が参加者を過去に連れてきたことやその理由は、エンディングではなくオープニングで話したい
→ 「どうして自分たちは過去にいるの?」「どうして自分たちが協力しなければいけないの?」というモヤモヤを抱えたまま謎を解き続けるのはしんどい。
「なるほど、そういう事態になっているのね」と全て理解した上でゲームを進めるほうが集中できそう。

謎解き公演後にやるパーティ(食事会等)への接続をスムーズにしたい
→ 今のままだと「謎解き公演」と「パーティ」が完全に分離されているので、若干強引でも良いので自然にパーティが始められるようなシナリオにしたい。

まず気になったのはこの3点。

これら3点が解消されるだけでも、参加者の負担は軽くなるような気がします。

これをもとに、オープニングとエンディング、ついでに登場人物のプロフィールも書いちゃいましょう。

登場人物

登場人物

太郎 & 裕美(ゆみタロ)
主役。
令和初日(2019年5月1日)に京都で婚姻届を提出したいというこだわりがあった。
しかし5月1日当日、駅に向かう途中の十字路で赤い服を着た高身長の丸メガネの人に衝突して婚姻届が風に飛ばされてしまう。しかもその人はそのままどこかへ走り去ってしまった。

タカタ先生
タイムトラベルをする/させることができる。

十字路でゆみタロの2人にぶつかってしまった本人。
その日は令和初日発売の令和チップスがどうしても欲しくてコンビニに向かってダッシュしていた。
申し訳なくなったタカタ先生は、なんとかして2人を結婚させてあげたいと思う。ここで2人の友人たちに協力してもらおうというアイデアに至る。
タカタ先生は誰に協力してもらうかを決め、新居お披露目パーティを行うという体で招待状を出し友人たちを招集。タイムトラベルをさせ、2019年5月1日に連れてくる。

ちなみに赤い服を着た高身長の丸メガネの人というのはタカタ先生のことです。

いつもこのような格好なので、当日に司会するときもきっとそうだろうと見てこのように書きました。

前説・導入

Intro(前説・導入)
司会のタカタ先生登場
「みなさん、今日は令和初日にこのようなパーティにお集まりいただきありがとうございます。」
「みなさんに衝撃の事実をお伝えします。なんと今日は2020年ではなく、2019年の5月1日です。私がタイムトラベルをさせ、みなさんをこんな時代まで連れてきました。」
「というのも、新太郎さんと裕美恵さんの結婚記念日になるはずだった今日、2人は十字路で何者かとぶつかってしまい、婚姻届を紛失してしまったそうなんです。」
やっぱりお2人には結婚してもらいたいですよね?なんとかみなさんの力を貸してもらえませんか?という旨のことを話す
そして、そろそろ2人が帰ってくるだろうけど、タイムトラベルしていることは2人には内緒にしておくようにお願いする。

タカタ先生がしゃべっていると、扉が開いて2人がトボトボ入ってくる。
そしてタカタ先生を見つけた瞬間、第一声
ゆみタロ「「あーーーっ!!!さっきぶつかってきた赤い服の人!!!!!!」」
タカタ「さっきは本当にごめんなさい!!!!」

ぶつかったのはお前だったんかい!という空気にさせたい
具体的に何があったかの掛け合いがここであってもいいかも

タカタ「でも、彼ら(プレイヤー)に代わりに婚姻届を書いてもらうようにお願いしたんです!それで許してもらえませんか…?」
ゆみタロ「よくこの短時間でこんなに人数集めましたね……わかりました。でも、電車の時間が本当にギリギリなんです。45分以内に書類を揃えてもらうことってできますか?」

タカタ「わかりました。なんとかして書類を揃えましょう。」

よしよし、いい感じになってきました。

・誰によってタイムトラベルをさせられたのか
・自分たちがなぜ2019年5月1日にいるのか
・そこで何が起こっているのか
・自分たちは、誰のために何をしなければいけないのか

これらがスッと理解できるようになったのではないでしょうか。

前回のシナリオ案に比べると、かなりまとまってきたように感じます。

解説・エンディング

この調子で、エンディングも書いちゃいましょう。

Ending(解説・エンディング)
婚姻届と戸籍謄本が入った封筒を持って、慌てて会場を飛び出そうとするゆみタロの2人。
その2人をタカタ先生が呼び止める。
タカタ「そうだ!2人にお願いがあります!」
タカタ「もし結婚がうまくいったら、1年後の2020年5月22日に結婚1周年パーティを行いませんか?」
タカタ「この部屋で準備をして待っていますね。行ってらっしゃい!!!」

2人を見送ったあと、解説。

解説後の結果発表。
タカタ「では、今から時間を元に戻します。」
タカタ「成功したチームがいて結婚が成功していれば、きっと盛大な結婚1周年パーティが始まることでしょう。」

時間を戻す演出。
2019/05/01 → 2020/05/22

2020年5月22日に戻ったとほぼ同時に、部屋が暗転。
BGMが鳴り響くなかで扉にスポットライトがあたり、ウェディングドレス姿になった2人が登場する。盛大な拍手。

タカタ「時間内にすべての謎を解き明かして2人の結婚を実現させたのは、○○番チーム!!ありがとう!!」
タカタ「そして太郎さんと裕美さん、結婚1周年おめでとう〜〜〜!!!」

リバイズ案を見事に反映したシナリオが書けたような気がします。

まずは見送りの言葉

退場時に「1年後にここでパーティをしよう」と提案してから見送ることで、パーティと自然な接続ができました。
このセリフによって参加者も「そういえば、今は1年前にいるんだったな」と再認識することもでき、一石二鳥です。

また、最終回答を郵便屋さんではなくお二人に直接提出させることで、二人が自然な流れで会場から出られるようになりました

これにより、解説中に着替えて結果発表で二人が華やかに登場!という流れを作ることができます。
郵便屋さんに手渡してしまうと二人が一度退場する理由付けが必要なので、このリバイズは非常に上手く当てはまったように思います。(あと郵便屋さんをするスタッフが減る)

リバイズ第一段階を終えて

前回叩き台を叩いて肥大化させたときは、ストーリーの矛盾や穴を無くすようにシナリオを書きました。

そして今回は、参加者目線に立ちどのタイミングでどの情報が与えられると理解しやすいか、という点でシナリオを書きました。

この2点はなかなかバランスが難しく、矛盾が無いストーリーを書いたところでそれをわざわざアピールしても参加者は混乱するだけです。

実際見てみると、登場人物に書いてあるけどゲーム中には明かされない情報もあります。令和チップスの情報とか正直どうでもいいですね。

まとめ

今回は、肥大化したシナリオを整えるリバイズについて書きました。

・ストーリーに矛盾や穴はないか
・そのストーリーを公演中に聞いたとき、参加者はすぐに理解できるか

このバランスを疎かにすると、「なんかすごいけど難しいなぁ」と感じられてしまいます。

シナリオ執筆、次回もまだまだ続きます。

Photo by 角田大樹

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