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レンガの目地のお話 ~Grapevine Joint ? グレープバインジョイントって何ですか?

今回は、目地仕上げの手法のひとつでグレープバインジョイントをご紹介します。

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前写真の左下の目地部分に『いたずらみたいな筋が入った』仕上げがグレープバインジョイントです。

グレープバインとはぶどうのつるをを表します。

調べてみましたら...

While most popular during America’s Colonial period, this design is often replicated in newer brickwork. It is created with a grapevine jointer, which is a metal blade with a raised bead that creates an indented line in the center of the mortar joint. These lines are often rough and wavy, simulating the generally straight yet slightly irregular appearance of a grapevine. It is commonly used on matte-finish and antique-finish brickwork.

むむむ。。。悩ましい

コロニアルといえば、アメリカ合衆国がイギリスなどの植民地であった時代の建築や家具の形式を指すらしい。

すなわち、植民地時代に、最も流行った仕上げ方法であり現代の新築レンガ積み建築にも繰り返し採用されているとの事。

それは、中央が凸になった道具、グレープバインジョインター(ジョインター=目地コテ)で仕上げます。

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この道具で付けた線(コテ跡)は、ぶどうのつるの様に不規則に波打っています。この手法は一般的にアンティークな仕上げとされている。ぎこちない和訳ですがこんな感じでしょうか?

 日本では、まず見かけない仕上げですね。最初はイタズラに見えたりもしました。構造材として積んでる時代で、その上に左官材を覆い被せていた頃から、レンガの色や互い違いに積んだ様子をデザインとして魅せる建築にと移り変わる様な時期です。

魅せるようになっても構造ですからタップリのモルタルでレンガと同面で仕上げ対ですが、目地も際立たせたくなり筋を入れたのではないか・・・後々に目地コテなどが登場してきたのでは・・・謎は深まりますね。

 2014の秋にアメリカへ勉強に行った所、なんとニューヨーク近郊の新築の住宅地から1億円を超える住宅地にまでとても多く使われていました。それどころか、フィラデルフィアの、Independence hall(独立記念館)、Congress hall(国会議事堂)、Carpenters’Hall等の歴史的建造物の目地仕上げもこのグレープバインジョイント仕上げでした。

(※1790年に合衆国の首都がニューヨーク市からフィラデルフィアに移ってくると、新都ワシントン特別区の建設が一段落する1800年までの10年間合衆国連邦政府の首都だった)

グレープバインジョイントの実例写真を幾つかご案内します。

クラウン住宅地(新築住宅地)

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この住宅地は全てグレープバインジョイント仕上げです!

日本ではなじみが無いがとても多くの現場で採用されている!

ケントランド

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レンガの笠木の目地も、門柱の目地もグレープバインジョイント仕上げ

ケントランド住宅地のほとんどがグレープバインジョイントでした。

フィラデルフィア歴史的建造物 上:Independence hall(独立記念館) 中:Carpenters’Hall(カーペンターズホール) 下:Congress hall(国会議事堂)
当社では創業時より、社長が『目地も意匠のひとつである』として提案し活動をしてきました。

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実際にグレープバインジョイントで仕上げをしたお客様の事例をいくつかご紹介!

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かっこいいいい!!!!!

ブログ読者の皆様もどうぞ宜しくお願いします!

(目地コテはfromUSA ※日本未発売たぶん。。。)

当時より目地のカラーも8色(下記)揃えておりました。※白、グレ−、ダークグレ−、ライトピンク、ブラウン、ベージュ、レッドブラウン、ピンク。
現在では、目地の色は12色(下記4色追加)になり提案の幅を広げました。※クリーム、オフホワイト、ライトブラウン、イエロー

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目地色を提案しながら活動をする中、 特に店舗設計をされている方とのお打ち合わせになるとその拘りレベルは相当高く洋書の建築物の切り抜き画像を元に目地の深さ、目地表面の荒さ等を相談されます。最終的には、現場で再現するべく目標として『拘りのサンプルボード』の作成をお手伝いさせていただいております。


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