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子育て・思春期以降は「手離す」

長男が中学生の時のおはなし。中3で不登校になるまで、私はだいぶん口うるさいお母さんでした。宿題はしたの? テスト勉強できてるの? テスト返ってきた? 子どもにとってはプラス目(視線)もうるさいお母さんだったと思います。ごめん。

10年がたった今、自戒を込めて、思春期の子どもとの距離はこれぐらいがちょうどいいかも?という関わり方を書いてみました。

1.子どもの思春期は、母親もイライラしてます

子どもが思春期になると、親は子どもの行動にどこまで関わっていくか、口を出していくか迷います。突っかかってきたり無視されたりすると、親も人間。腹立ちます。今までは「ゲームもういい加減して宿題しなさいよ」とか言うと「ふぁ~い」と、親の言うことを聞いていたのに。

長男の子育ては親も一年生。いい塩梅がわかりません。私のこころの声はこんな感じでした。こころの声がもれてしまうこともあったかな。

・受験期なのにゲームばっかりしてぜーんぜん勉強しない!
・みんなは進路のこと考えてるのに、何を考えてるのかわからない
・何度もヤバイぞと言っているのに、何もしない!
・ラクなことばっかり言って、現実のきびしさがわかっていない                

今になって思うのは、思春期の子育てはどれだけ手を引くか、どれだけ手離していくか、見て見ぬふりをするかだと思います。
細かいことをごちゃごちゃ言わないガマン、言ってもしょうがないというあきらめ、いい感じの表現にすると自主性に任せることなのかもしれません。

では、どうして手離したほうがいいのでしょうか。

2.子どもの気持ちを聞いてみました

・わかってるわ!全部わかってるから余計に逃げたい、考えたくない
・一番いやなこと言うなぁ、そこだけは言わないでよ
・自分がヘリクツ言ってることもわかってるよ
・やらなきゃと思うけど、やる気にならない
自分でもどうしたらいいかわからない…

なんにもわかってないと思うから親は細かく言うのですが、子どもは自分の置かれている状況はむちゃくちゃわかっているらしいのです。わかっていることを言われるのって嫌なものです。「今やろうと思ってたのに…」っていうやつです。

親がごちゃごちゃ言ったあとのリビングには不穏な空気が流れ、子どもは怒って部屋に行くか、不機嫌な顔で黙り込んでゲームをし続けるか。こうなると、親も余計イラついてかぶせて言ったりして。
「わかってるの?」
その言葉は決して質問ではなく「わかってるんでしょうね!」という意味。

結局、何もしない夜になってしまいます。悪循環な会話。

3.どうしたら穏やかに話し合えるのか

不登校になって半年後、いよいよ高校受験の進路を決めるころには、ずいぶん落ち着いてお互いの思いを話せるようになっていました。

私が気をつけていたことはこんな感じです

ー聴き方編
・私の「こうして欲しい」という思いはいったん横に置いておく
・いったん子どもの考えていることを何も言わず聴く
・できてないこと、できそうにないことでも頭から否定しない

言いたいことはたくさんあるんですが、それを言うと話が前に進まないので、ここはいったんガマンです

ー問いかけ編
・「○○くんはどうしたい?」と自分で考えるように聴いてみる
・「それってどういうこと?」と言葉の意味を聴いてみる

先入観なしに頭を真っ白にして…インタビュアーのイメージで。
子どもがもっともっと話したくなるように相づちを打ってみると案外話してくれました。本当は聞いてほしいのかも。

ースタンス編
・一緒に考える
・一緒に悩む
・情報を集めるお手伝いをする
・本人が決めるまでひたすら待つ

聞いてほしいくせに押し付けられるのは嫌います。

子どもが心を開く鍵は一緒に考えるだと思いました。子どもは自分でも何をどこからどうしていいのかわからない状態です。親は自分が正解だと思っている答えを決めつけて教えるのではなく、その子の答えを一緒に探すことかなと思いました。

長男の場合は、どうやったら好きなことで稼いでいけるか、食べていけるかという話をたくさんしました。中学生ではアルバイトはできないと知ったようで、アフィリエイト(インターネットの広告収入)ならできるかとか、ガンプラ(ガンダムプラモデル)を塗装して売って食べてる人がいるとか…

長男は真剣に一生食べていける方法はないかと調べているのですが、わたしのほうは自分の知らない異世界を教えてくれるので、だんだん面白くなってきて興味津々で聞いていました。

たとえ、どんなことでも結果的に失敗だとしても、自分で考え、自分で情報を集めやってみたという一連の動きが、他にかえられないほどの経験となり次のステップに活きていったと実感してます。

4.つまり、思春期は手離しのチャンス

・思春期までは親が先導して手を引いて、親が用意したものをこなしていく
・思春期から親は手を離し、子どもが自分で自分の大事なものを取りに行く。親はそのお手伝い。

まだ全然いろいろわかってない子どもに自分で決めさせるのは、親としてはドキドキハラハラ。初めて補助輪なしの自転車に乗ったとき、そっと自転車から手を離した時の気持ちに似てるかもしれないです。










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