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学校卒業。働かない。親はじれったい。

今回は、相談機関の内側をちょっとだけお伝えします。ぴったり合う相談する場所の見つけ方、問い合わせるタイミングについて・・・


よくあるお問い合わせ

わたしは普段キャリアカウンセラーとして若者の就労支援をしています。よくあるお問い合わせが、

「うちの子が学校卒業(中退)した後、働かずにずっと家にいるんです。就職の相談に行きたいのですが」

という保護者の方からのお電話です。そこでお尋ねするのが・・・

就職の相談に行きたいのは・・・
 お母さんが行かせたいですか?
 それとも、子どもさん自身が行きたいと言っていますか?

ポイントは「今、だれがどう思っているのか、どうしたいのか」です。それによってサポート機関やサポート方法が変わってくるからです。もし、子どもさんは全然話したくなくて親がじれったく思っているのなら、保護者の方の相談が先になります。


親の想い≠本人の希望

「全く仕事の話をしないんだけど、もうそろそろ働かないと」

子どもはまだ何も言っていないんだけど親が先回りするケースです。ただこれはうまくいかないことが多い。。。当日に相談予約キャンセルになることもしばしば。家では、行く?行かない?で親子間が余計にギクシャクなったのでは想いを馳せます。

とはいえ。保護者の方の想いはむちゃくちゃわかります。家での子どもさんの様子を見ていると、いつ動き出すんだ!じれったくってイライラ!心配だし、なにかきっかけがないか。。。悩ましい想いです。


多くの子どもは語らない、語れない

親としては子どもが何を考え、どうしようと思っているのか、ちょっとでも仕事探しに動いた形跡があるのかが気になるところ。ついついガマンしきれずストレートに聞いてしまいます。

仕事どうするの?

子どもさんにとっては一番きつい言葉。地雷ワードです。
働けるなら働いてるわ!と言いたいところだけど、そんなこと親に通じないこともわかっており、「・・・」と、不機嫌にさっと席を離れるというところでしょうか。

相談で若者の話を聴いていると、どうして働けないのか一つの理由でない方が多いです。対人関係や前職での嫌な思いなどいろんなできごとが絡み合って動けなくなっています。そういったまだまとまらない想い、小さい子じゃあるまいし親にダラダラと話せませんもんね。

でも、話してくれる若者に共通する想いが一つあります。
『今の状態を変えたいと思っている』
ちゃんと考えているんですね。

まずは、「いま」を知ることから

今の状態を変えるために…仕事に就くために…まずは今の状態と気持ちの整理から始めるといいと思います。

・状態の整理
「仕事探し=求人を見ること」と思いがちですが、遠回りのようでも、まずは現在地を知ることが大事です。山登りと一緒です。今どこにいるのか、頂上(就職)までどれだけあるのか、どのルートで行く?元気さは残ってる?備え(就活準備)は大丈夫か?などの確認です。

・気持ちを整える
高校や大学生活で疲弊して中退した方、前職でつらい体験をして退職された方などはそもそも語ることができないほど疲れています。まずは心身を整える時間が必要です。親は、家でダラダラして何も考えていないように見える子どもさんを見ると「もう休まったでしょ」という気持ちになります。でも実は、お子さんの頭の中はずっとこれからのことを考えていて案外休まっていない状態です。焦り、自己否定、申し訳なさ、悔しさ、将来への不安などなどでいっぱいです。そのずしんと重い思いをもったままの就活(山登り)は過酷ですよね。


親はなにも言わないのが吉

仕事のことを考えるとき、お子さんと一緒にするのは親ではなくカウンセラーがいいと思います。実は、聴き方や問い方にはコツがあって・・・そのあたり、カウンセラーは習練しています。「本当は変わりたいんだ」という気持ちを大切にしながら、子どもさん自身も言葉にできなかった思いを一緒に探し、口から外に出して身体を軽くしていきます。

保護者の方にして欲しいのはお子さんへの言葉かけよりも、そのお子さんに合う相談機関を見つけることのお手伝いです。相談機関は行政のことが多く「就労」「ひきこもり」「障害」「保健医療」「生活困窮」などカテゴリーに分かれ、そのカテゴリーの中でもまた支援対象で相談機関が分かれます。正直、ややこしいです。。。

今のお子さんの状態だったらどの支援機関が一番合うかは、まずは地域にあるワンストップの総合相談的な窓口に相談されて、合う機関を紹介してもらうことをおすすめします。
ココならと思って電話してたくさん話したのに、「そちらのご相談でしたら、○○に問い合わせていただけますか」などの相談機関のたらいまわしは嫌ですもんね。


今回は情報っぽいお話になってしまいました。
お役に立てればうれしいです。









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