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1か月限定で修行に出たはなし【後編】

1か月限定の派遣修行に出たライターかむらこと、私。
ライターの本業で身に付けたタイピング速度が、同期派遣社員の不快感を買っていた模様。
チクチク嫌味を言われるも、いかに効率を上げ、早く帰るか考えていない私には全く刺さらない。
おそらく、ライターとして案件を持っていなければ、傷つき、凹んで家から出れなくなっていたことだろう。
ここで認められなくても、私を評価してくれる人がいる。
この考えは、私にとって非常に大きなものであった。

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派遣期間も後半に入ると、会社の空気が段々と悪くなっていきました。

簡単に言えば、ブラインドタッチができる人限定で募集したのに、パソコンの電源も入れられない人がきてしまったため、作業が非常に滞っていたのです。
とにかく、早く入力することが求められる仕事で、キーボードと画面を何度も往復し、人差し指のみでキーを押していてはとても間に合わない状況でした。

毎日「そんなこと教えてもらってません!どうしてかむらさんばっかり優遇するんですか?」という人。
「遅刻したことを悪いと思ってますけど、起きようとした努力を認めてほしいです!」という人。
(すごい人もいるもんだ)

私の同僚はそんな2人だったので、普通に仕事をしていても、勝手に評価が上がっていきます。
1番温かい席に座らせてもらい、スペックの高いパソコンを支給してもらえるようになっていました。
今考えると、なかなかお腹の痛くなる状況ですね。

進まない作業、増える社員さん達の残業時間。
社員さんたちは、休日も朝から晩まで作業をしているようでした。

契約上、残業をしてはできないことになっていたので、後ろ髪を引かれつつ、毎日ダッシュで帰っていました。
帰りにエレベーターに乗らず、非常階段を駆け降りてたのも気に食わなかったのかもしれませんね。
(だってエレベーターよりも私の足のほうが早いんですもの。タッチの差で帰宅ラッシュに巻き込まれることもあるのですよ)

それでも、就業時間中は作業に集中し、ときには社員さん以上のスピードで書類を仕上げられることもありました。

そんななか、ついに同期派遣社員の2人が出勤拒否をするようになったのです。
何があったのかよく分かりませんが、派遣の担当さんも社員さんもゲッソリしていたのを覚えています。

結局、2人は最終日まで出勤してくることはありませんでした。

ライターはよく飛ぶって言いますけど、実際に顔も個人情報も明らかなのに飛ぶってことあるんですね。

その後は、以前就業していたパートさんや派遣さんに声を招集し、私も派遣会社と相談して少し残業。
何とか納期に間に合わせることができました。
なんという綱渡り!そういうの、嫌いじゃないです。

ライターとして修行に出てみて分かったこと。

・世間から見たら、ライターをしているってだけですごい。
・世の中にタイピングスキルが通用する。
・短期の仕事で求められるのは、質より量。
・眠くなると、枕カバーがハンカチに見える。
・ぼんやり運転していると、県境を越える。
・何があっても大丈夫なように、仕事は前倒ししておくと吉。
・オンラインばかりだと、実生活でもうっかりペンネームで自己紹介する。

お外は怖い世界です。

ここで大切なのはある程度、ライターとしての実績を持っておくこと、短期の仕事を選ぶこと、かなと思っています。
ライターとしての実績がなければ、あれもダメ、ここでもダメ、とベコベコに凹んでしまうかもしれません。
また、短期だと嫌なことがあっても「あと数日!」で乗り切れます。

この修業期間は、ライターの営業練習にも活用していました。
興味を持って、誰か紹介してくれたらいいなくらいの軽い気持ちで「実はライターやってるんです」と言って回っていました。

付き合いが浅い人から面と向かって「ネットの商売なんて怪しい」って言われること、あまりないと思うので。
大概「え、(よくわからないけど)すご〜い!」で終わります。
私ってすごいんだ……と自己肯定感が上がりますよ。

営業活動的には、保険会社の偉い人に「かむらって名前でライターやってるんです」と主張(?)できたので、満足です。
(「え、すごい!だから早かったんですね!」で終わりました)

桜より梅が好き

ライター界だと、実績が豊富な方や、すぐにスター街道を駆け抜けていってしまう人もいますよね。
そんな人に比べて、自分を卑下してしまう人も多いはず。
でも、ネットの世界って本当に狭いんです。

ライターとしてちょっと伸び悩んでるな、つらいなって思ったときには、ぜひ1歩外に出てみてください。
自分のスキルって思っていたより通用するな、ライターの経験から得たものって結構大きいな、と実感するはず。

自分を客観視するのって、なかなかしんどいことですが、得られるものも大きいものですよ。
あなたが大した事ないと思っているスキルでも、世の中ではすごいスキルだったりするのです。

私はまた機会があれば働きに出てみようと思っています。

ちなみに。
この後、派遣先の方が、私のことをベタ褒めしてくれたらしく、今後とも派遣会社との取引を続けてくれることになったようです。
担当さんからお礼のケーキ券をいただきました。やったね。

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