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ドラマ新宿野戦病院の感想を元野戦病院勤務医が書いてみる②

こんにちは〜
新宿野戦病院、観てますかー?

先日感想を好きなように書いてみたnoteをたくさんの方に読んでいただけているようで嬉しいマダムリリアンです。

今回も、引き続き、感想と、
元野戦病院勤務医、美容クリニック勤務、外科専門医、元離島医療従事者、のマダムリリアンが好きなように書いてみようと思います。

↑の経歴、めっちゃ嘘くさいけど嘘ではないです〜


さて、今回も情報過多でしたね!

褒めてる)

いやぁもう、どっからつっこんだらいいかわからないんですが、、、いろいろ素晴らしかったです。

モブみたいに去っていくキャラクターが濃すぎましたね。

私が1番ヲヲ!ってなってしまったのは。。。

他が情報過多すぎて一瞬で通り過ぎていった

経肛門的直腸異物(お尻の穴からつっこんだ異物が直腸にはまり込み取れなくなってしまうこと)の患者さん

でしょうか。

彼は、異物の経緯について、
YouTubeの撮影って言ってましたね
今時、あり得そう!
ドラマの彼は、すんなり取れてよかったですよね!

直腸異物は実際に勤務先で遭遇したこともありますし、興味半分(すんません)で論文を検索したこともあり

遭遇確率としては本当に稀ではあるけども、
あるあるの症例で、

よくここに上手いことぶっ込んだな!

って思いました。

(異物ではなくシーンの意味ですヨ!)


直腸異物について検討した文献をみると
通常わたしたち医師が執筆する論文との性格が多少違います。

性的な快感を求めて異物を挿入してしまうことが主なので(非常に疑わしいですが、名誉のために記載しておくと稀に違うこともあるようです)その経緯を問うても、無回答、
なこともあるわけです。

そらそーですよね。
目の前の先生に、楽しむために自分(もしくはパートナー)で入れたなんて、
どうせ自明でもわざわざ言いたくはないですよね。

人間誰しも多かれ少なかれ不都合な事実を誤魔化してしまう習性があるのでしょう。

お風呂場で滑って、という理由は結構バレバレな嘘ランキング上位だったりします。


いやいや、そんなわけあるかい、
ってなるんだけども。
もし、自分がそのとき対応する医師だった場合、
噴き出さずに、真剣に、受け止めてあげたいものです。

結果、やっぱりどうしてもこの手の論文は読んでる間にちょっと笑ってしまうし、執筆された先生の当時の感情とかちょっと聞いてみたい。


入れたものは出るはず!って思いますよね。
私もその昔、奈良は東大寺にある、
大仏さんの同じサイズの穴が空いている柱を通ろうとした時、
案外スッと出られなくて

いや、入ったんやから出れるから!

って念じながら通ったのを覚えてます(違うか


直腸異物についても、入ったからには同じ穴から出るはずや!って思うし、それを信じて数日間孤軍奮闘した末にどうにもならなくなって困り果てて来られる方が多いです。

注意していただきたいのが、
入れるもの(ペットボトルやドレッシングの瓶など丸くて太いものが多いみたい。そりゃそうか。
S字フックっていうのも過去にはあって、それはちょっと逆に興味深い。)の軸と、
直腸の傾きの軸は違うのです。。。

さらに、もうこれ以上引き返せないところまで上に行ってしまったら、最悪お腹を開けないといけないこともあるのです。。。

(うまくいけば経肛門的に摘出できますが、砕石位という特殊な体位をとることが望ましく、手術室での対応が多くなりそうです)

それに、腸管穿孔のリスクがあります(この場合は命に関わるし、腸管切除が必要になり、ふつうに大手術になっちゃいます)


もし、万が一、
そうなっちゃったら
とにかく早く病院に行くことを
強くお勧めいたします。

なにはともあれ、

おきをつけあそばせ。。。




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