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キャンプ道具に散財して見つけたスタッキングの話。

僕自体はスタッキングマニアではありません。どうも、ソロキャンパーのYANGです。中国人ではありません。日本人です。「○○ちゃん」とか「○○くん」とかのテンションで「○○やん」て呼ばれていて、名前と全く関係のない敬称の方を採用してペンネームみたいにしています。

ちょうどいい。これほど気持ちの良い言葉はあるでしょうか。多分ありますけど、それは今どうでもいいんです。ぴったりハマる、ちょうどいい。この過不足のない世界観は美しいと言わざるを得ません。スタッキングの美学は「ぴったり収まる」ことの気持ち良さ以外に、というか、そもそも大変に実用的なテクニックです。今回は、気持ち良くて実用的なスタッキング例について語りたいと思います。

まず、スタッキングとはなんぞや?ということを簡単に。重ねてコンパクトに収納する、という意味です。コップを重ねるとか、取っ手が取れるティファールの鍋を重ねて収納するとか、そういうことを「スタッキング」というわけですね。つまり、省スペース。だから、荷物が多くなりがちな登山やキャンプといったアウトドアと、とっても親和性が高いテクニックなんです。荷物は少なく、嵩張らないにこしたことないですからね。人間関係も重くて複雑だと嫌じゃないですか。ときめかない人間は燃えるゴミで捨てられたらいいのにね(猟奇的)。冗談ですよ。

アウトドア上級者ともなると、そもそも1つのクッカーで全てをまかなってしまう、というケースも珍しくありませんが、玄人の常識は素人の非常識。あくまで、いろんな道具を使いたい、ライトに楽しみたいキャンプ勢の視点からスタッキング例を紹介したいと思います。

これが僕のスタッキングAチーム

ビタっと収まる。蓋は気持ち浮くけど、うまいこと行けばキレイにハマります。

仮にAチームとしましょうか。そう、他にもあるんですが、今回はこのメンツ。チタンマグカップが3つにアルコールストーブ、風防、焼き網が1つのケトルに収められております。見てください、このキュンキュン具合。これが洞窟だったら引き返せなくなるレベルでキュンキュンで、肩がハマって進めなくなったらお陀仏という恐怖で心臓がギューってなりますよね。ちょっとよくわからない例えでしたね。「クレイジージャーニー 洞窟探検家」で検索してください。

スタッキングマニアともなると、はじめからスタッキングを狙い、サイズ感を想定しつつギアを揃えていくと思いますが、冒頭で「スタッキングマニアじゃない」と名乗った通り、僕はスタッキングを狙って道具を購入していません。だいたい、あ、この鍋に小物入るな〜くらいで、プチスタッキングをするレベルだったんですね。で、ある時。あれほしいな、これほしいなと散財して集めたギアを見ながら「あれ?これイケるんじゃね?」と思い始め、突っ込んでみたらピッタリ収まっちゃったというわけ。

偶然の出会い。偶然のハメ感。フリースタイルラップで完璧なリズムキープと音ハメで韻を踏みまくるFORKさんクラスで気持ちいい。もちろん、「ピッタリ収めただけ」ではございませんよ。このメンツ、かなり実用的。ここからは、1つ1つのギアに焦点をあてて語ります。

トランギア アルミケトル(0.9L)

キャンプ界隈では定番中の定番。トランギアといえば、ここ数年、爆発的に流行り続けているメスティンが有名ですが、ケトルも有名なんですよ奥さん。

トランギアのケトルには0.6Lと0.9L、そしてさらに大きい1.4Lの3種類があるみたいです。0.6Lはソロにジャストサイズ!0.9Lは若干大きいかな、という感覚。ただ、これはこれで、絶妙なサイズ感なんです。例えば、コーヒーを飲みながらカップ麺も作りたい、となると、少なくとも200ml+450mlくらいでお湯を沸かしたいところ。お湯を少なく見積もれば、0.6Lでもどうにか作れなくもないですが、満水になってしまうんですよね。下手すると注ぎ口から沸騰したお湯が溢れちゃうみたいな。でも、0.9Lならゆとりを持ってお湯を作れるってわけです。

トランギアケトル 0.9L 。蓋のノブがステンレスのタイプ。コロっとしたフォルムがかわいい。

それから、レトルト食品の調理もできます。つまり、鍋の代わりになる。ハンバーグやカレーを温めたり。あ、米も炊けます。「は?米炊いたら湯沸かしできねぇだろ」って?まぁまぁ、落ち着いてくださいよ。炊き方はまた後述するとして、手の込んだ調理をしないのであれば、これで十分対応できるんですよ。これは0.9Lくらいのサイズがないとできない使い方なんですよね。(0.6Lはまた別の魅力があるので機会があったら語ります!)

エバニュー 400FD(チタンカップ)

次は、日本が誇るアウトドアメーカー、エバニューのマグカップ。名前から察するとおり、400ml。たっぷり入ります。さすがチタンだけあって、めちゃくちゃ軽い!わずか50gです。

クッカーとして考えると若干小さくて、マグカップとして考えると大きすぎる。なんとも微妙なサイズ感で、実は今回紹介するスタッキングを発見するまでは持て余していたんですよね。使い所が難しいというか。プレミアリーグのリバプールでクロップに飼い殺しされてた南野選手みたいな。違いますね、失礼しました。

ところがですね、単体では活躍の場を見出せなかったこいつも、チームとなると大活躍するわけです。スープを作ったり、たっぷりコーヒーを飲みたいなんて時だけじゃなくて、「米を炊ける」んです。

ケトルに収まった400FD。水蒸気炊飯、成功です。

炊飯の相棒はケトル。チタンは熱伝導率が悪いので、そのまま調理をすると焦げ付くリスクが高いんですよね。だから、ケトルの底に焼き網を入れて、網全体が浸かるくらい水を入れます。そして焼き網に、米を入れた400FDを乗せる。ケトルの蓋を乗せて火にかければ、水蒸気炊飯セットの完成です!実はちょいと蓋が浮いてしまうのだけど、問題なし。ふっくら美味しくお米が炊けました。ケトルも汚れないからレトルト食品を湯煎で温められるし、炊き立てご飯も食べられるし、マグカップはそのままお茶碗のように使える。所属チームって大切ですね。モナコに移籍した南野拓実選手の活躍に期待です。

ミュニーク X-MESHSTOVEラージ

400FDの側面にはわせるように収納しているのが、ミュニークのXメッシュストーブ。ステンレスのメッシュ素材なので、軽いのに強い。しかも柔軟性に富んでいるから、マグカップといっしょにスタッキングできてしまうのだ。それはまるで井上尚弥のよ…んー、あんまり上手な例えじゃないですね。いい例えが思い浮かんだ人はコメントください!

ちょっとお高いんですが、こいつは本当に使えます。YouTuberのFUKUさんの紹介で知ったアイテム。僕が使用しているのはLサイズで、もう一段小さいものがあるので注意してください。僕のように1リットル近い容量の鍋やケトルを使う場合は、大きい方がいいと思います。

ミュニークの風防とアルコールストーブ。湯沸かしも調理もできます。

ゴトクの機能を兼ね備えた風防なので、多少の風なら問題なし。Lサイズなので安定性は抜群です。唯一難点は、せっかくのアルコールストーブの表情が見えないこと。「アルストちゃんが頑張っているところを見ていたいわ」という方は、風防とゴトクは別で用意した方が良いかもしれませんね。

ベルモント チタントレールカップ

400FDがあまりにデカすぎて飼い殺ししているところに現れた、280mlの小さなマグカップです。こちらのチタン製で、わずか55g。なんで400FDよりちょっと重いねん。

以前はマグカップは琺瑯製のものを使っていたのですが、酒を飲むには良いとしても、いかんせんかさばるし、大きすぎるんですよね。バックパックにぶら下げてたりするとカッコいいんですが、使う頃にはゴミや虫が入ってたりして萎えるんですよねぇ。

右下のカップがトレールカップ。400FDより一回り小さく、コーヒーを飲む時にもちょうど良い。

ベルモントのトレールカップのいいところは、そのちょうどいい大きさはさることながら、シンプルなデザイン。よく、ブランドロゴがババーンとデカデカと刻印されてる道具あるじゃないですか。所有欲をくすぐられるような特別なバリューがあれば別なんですけど、これ見よがしにアピールしてるみたいでちょっと好きじゃないんですよね。できるだけ控えめにして欲しいというか。ベルモントは余計なことをしていない。だから好感がもてるんですよね。
持ち手がシェラカップのような形なので、最初は使い勝手が心配でしたけど、大丈夫そう。酒やコーヒーはもちろん、コーンポタージュなんかのスープ系もこのマグでいけますよ。

エバニュー Demitasse 220

ベルモントのトレールカップより、気持ち小さい、エバニューのデミタスカップ。エバニューの方が「コーヒーを飲むにはこのくらいが良いんだ」と、個人的な思いを開発に乗せた商品だとか。いや、マジで絶妙なサイズ感です。

デミタスカップというくらいなので、容量は220mlとかなり少量。実はトレールカップがあるから購入予定はなかったんです。ところが、0.6Lのケトルにトレールカップが入らなくてですね。悔しい思いをしたんで、気持ちひと回り小さいデミタスカップを購入したというわけです。

このコンパクトさ。取っ手についていた赤いシリコンは外しました。

0.6Lのトランギアケトルにジャストフィットしたわけですが、あれ、これ、トレールカップに入っちゃったりしない?と、そっと近づけたら、なんということでしょう。匠による隠し収納のようにピッタリと収まったではありませんか。

使い方自体はトレールカップと同じ。コーヒーを飲んだり、スープをつくったり。ただ、僕の場合はよほどのことがない限り、デミタスカップはコーヒー専用となっています。「マグカップばかりで意味ねーじゃん」と思われそうですね。そりゃあね、コーヒー飲むだけならマグカップなんて1つで十分ですよ。でもね、キャンプというのコーヒーを飲む時はパンを齧りたくなるし、パンを齧ってるとスープを飲みたくなるし、夜はハンバーグを米にバウンドさせて食べたくなるわけですよ。1つで足ります?足りませんよね。足りませんよね?大事なことなので2回言いました。撤回の上、謝罪してください。

だから僕の場合、400FDで米を炊き、ベルモントのトレールカップには副菜やスープを。デミタスカップではコーヒーやお酒を嗜む。そうやって使っています。これで十分、キャンプの食事を賄えるわけです。めっちゃ良くない?

トランギア アルコールストーブ

調理に欠かせない熱源は、アルコールストーブで。こちらも、ケトルと同様にトランギアのもの。メスティンと同じで、どのメーカーでも大差はないのでこだわりはありません。トランギアでも、ソロストーブでも、特に問題ないと思います。

アルコールバーナーのいいところは、所有欲をくすぐられる佇まい。僕のストーブはスタンダードな真鍮製で、使うほどにくすんできて、いい味わいになるんですよ。他メーカーだと、チタン製やステンレス製もあって、それぞれに良いところがあります。真鍮はちょっとズッシリくるかな?

メーカーによっては、ストーブの内側に燃料用の目盛が刻印されるなど、様々な特徴が。

ポッとかわいい音を立てて火がついて、ゆらゆらと揺らめく赤と青の炎は、焚き火とは違う癒しのひととき。オイルランタンに近いけれど、それともまた違う、不思議な魅力があるんですよね。

あとは安定性と底に伝わる熱に対応できれば、場所を選ばず使えるのもアルコールストーブならでは。使いたい時にスグ使えるし、ガスのような不発がない。ただ、燃料が液体ですから、こぼしたりするとたちまち火だるまになります。そこだけ注意して、周りを片付けて、安定した平らな場所で使いましょうね!

その他の道具

これまで紹介してきたものにプラスして、マグカップの蓋と焼き網をつっこんでおります。蓋は別のチタンマグから拝借していて、特になくてもいいんすが、焼き網はとても便利!

10cmはちょうどケトルに入る大きさ。これも、もともとスタッキングしてやろうなんて考えていなくて。薪ストーブの上に置いてウインナーでも焼いてやろうくらいにしか考えていなかったんですよ。ところがどっこい、意外と使えるやつだってことが分かりまして。

水蒸気炊飯をするときの土台としても機能するし、もちろん、ちょっと何かを焼きたいなぁって時にも使える。薪ストーブの上に置いてトースト作ったりね。鍋敷の代わりにもなる。
ちなみに、コイツのいいところはステンレス製なところ。安い焼き網だと鉄製だったりしてスグ腐食してしまうんですよね。それと比較してステンレスは丈夫だし、長く使えるから素晴らしい!

まぁ、こんなところでしょうか。米が炊けて、おかずを温められて、コーヒーとスープも同時に堪能できる最近のスタメン、スタッキングAチーム!いずれ、他のチームも紹介できたらと思います。けど、ここまで気持ち良いスタッキングになるかなぁ?ハメられる機会があったら撮影してきます!(意味深)

おしまい

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