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人は人の心に従うもの

かなり前に読んだのに、憶えている言葉があります。

これもそのうちの1つ。

人間ひと人間ひとの心に従うものですから

『天は赤い河のほとり』より

人心を薬で操り、物事を自分の思い通りに進めようとする人物が、後宮内で引き起こした殺人事件。

裏で手を引く黒幕がハッとなったのが、カイル皇子の放ったこのセリフです。

かつて、カイル皇子の母親であるヒンティ皇妃おうひが同じことを言っていたのを回想するこのシーン。

その皇妃のただ1人の忘れ形見のカイル皇子に、その思いが受け継がれていることを知り、ほんの一瞬、心を痛める場面が印象的です。

どんな人にも、きっと良心はある。

わずかな間ですが、自分自身の心と向き合うこの黒幕の姿が、今でも私の中に印象深く残っています。


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