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普通のサラリーマンがビジネススクールに通ってみた話

4月から通い始めたビジネススクールの夏休みも今週でおしまい。

人生で「夏休み」という単語がこんなにもキラキラして見えた時期はなかったってくらい満喫できたから、秋学期への切り替えのために春夏の振り返りの日記を書いておこうと思う。

まずはきっかけから。

私がMBAに興味を持つ日が来るなんて

私はいたって普通のTHE日本のサラリーマン。
新卒から今の会社に入り、転職もしないまま、気づけば入社から14年が過ぎた36歳。
入社以来7年営業、5年企画を仕事として、「いい人」に囲まれ毎日楽しく働いて、家に帰ってごはん作って、土日はちょっとどっかにお出かけするという穏やかな毎日を過ごしてきた。
それが急に新規事業の部に異動となり生活が一変した。

既存事業から新規事業への異動は、一言でいうと異文化交流。
イメージとしては、あったかいお家ででぬくぬくしてたら、急にサバンナへ放り投げられた感じ。既存事業にいたころは与えられたミッションを効率よく回しながら、空いた時間で自分が面白いと思う企画をちょこちょこしてればよかったのに、新規事業に来たら「あなたは世界をどう変えたいの」「あなたはなにができるの」と毎日のように聞れる。

正直、そんなこと考えたこともないし、考える必要性すら感じたことなかった私にはこれが拷問のようにつらかった。
それまで「求められたことに応える」というスタンスで仕事してきたので、自分が主語になることが不安で不安で仕方なかったのだ。しかも初めて自分に向き合ってみたら、中身が空っぽで自分が何をしたいかなんて全く見つからないうえに、これができます!と胸を張って言えることが何一つなく、おいおい、私この歳まで何してきたんだ?!と自分のできなささに愕然とする日々。

異動して半年以上、とにかく落ち込んで毎日のように泣いてたけど、先輩たちが最初はそんなもんだよ、と励まし続けてくれたおかげで11月くらいに何とか立ち直り、足りない部分は何とかして埋めないと!と思るようになった。

で、その時に選択肢に上がったのがMBA。自分の視野を広げて、自分で考え、自分で決めて、それに人を巻き込むための説明力を磨くのには1番効率がいいんじゃないか?!とある日突然気づき、やりたいことリストにMBAが入ってきた。


入試まで1か月しかない?!

もともと友人が1年前に卒業してたから存在は知っていたけど、自分には関係のない世界だと思っていた。お金かかるし、大変そうだし、2年もかかるし、自分には縁がない場所だと思っていた。
けど、同期が別の大学のMBAを取りに行くことを検討してるって話を聞いたり、自分がたまたま引っ越した先にMBAを取れる大学院があったりしたことが重なって、行ってみる?!と急に自分の中の意見が変わり始めたのが12月の頭くらい。

調べてみたらその1週間後に冬入試の説明会があることがわかり、とりあえず話聞いてみようかなとオンラインで参加。

聞いてみたら、おもしろそうすぎてテンション激上がり。その結果、一気に行きたい欲が高まって年末年始におせち食べながら無理やり願書を書きあげ、ギリッツギリで提出。あんなに落ち着かない年末年始は初めてだった…。
そして奇跡的に面接も通り、4月から晴れて大学院生に!


ドキドキの大学院生活
毎週火・木は19時ー22時、土曜日は9時ー20時まで授業という欲張った時間割で大学院生活がスタート。

実際始まってみたら覚悟してたのの3倍くらい大変で、これいつやるの?!っていう量の課題が毎週出るし、ファイナンスなんて講義がすべて呪文に聞こえるレベルにさっぱりわかんないし、同級生が超絶優秀で自分に自信無くすしと4月は毎日パニック状態。

でも5月中旬にはだんだんとペースも掴めてきて、自分の得意不得意が改めてわかってきた。

得意なのはマーケティングや人材組織のような答えがない、どちらかと言えば右脳系な科目。逆に苦手なのはファイナンスや財務会計のような数字を扱う左脳系の科目。もうこれは笑っちゃうレベルにわかんなくて、数字を見るのも嫌という状態に…。でも財務会計は先生の教え方がものすごーーーーくお上手だったおかげで、何となく概念や肝の部分はわかるようになって、数字から会社の状態を読み解くってことが少しだけできるように。

その結果、教え方や先生のお人柄って本当に大事なんだなと実感。同じ講義でも先生によって全然入ってくる度は違うし、自分が課題に向き合う時の熱量も違う。その結果15回の授業で得たものに大きな差が出てくる。


グループワークとマネジメント

先生の講義がメインの授業のほかに、4-5人のグループワークで課題に対するアウトプットを出して実践しながら学ぶという授業もあり、これもまた学びが大きかった。

春夏にグループワーク系の授業を4つ取ってみてわかったうまくいくポイントは①なにはともあれまずはメンバー②そのうえで、受け入れ、積み上げていくイメージを持つこと③自分が得意なこと、できないことは早めに開示すること④スケジューリング命⑤3回のzoomミーティングより、1回の飲み会の5点。

グループワークって、個々の能力を集めることで1人よりも短時間に高い成果を出すのが目的だから、個々の能力が何かを把握して、それをうまく組み合わせるっていう貢献マインドが必要。つまり、グループで成果を上げれる人になるには能力と人柄どっちも欠かせないのだ。

これが実感としてわかっただけでも、春夏の授業を受けた甲斐があったっていうくらい私には大きな気づきだった。これから会社でマネジメント層になっていくうえで、個々の能力を把握すること、それをチームのために使ってみんなで成果を上げようという空気感を作ることの重要性を理解できた。


大学院だからこそ

大学院のいいところは①広く浅く網羅的に科目を学ぶことで、つながりを理解できる=経営にはすべての要素が必要なんだと納得できる②優秀な人って世の中にこんなにたくさんいるのか!とわくわくできる③意外とやればなんとかなると自分に自信が付く(助けてくれる同級生あっての話。手を差し伸べてくれる同級生がたくさんいて感動なので、この話はまた別の機会に)④世界が広がる⑤タイムマネジメントがうまくなるの5点。

特に①の大学院でいろんな科目を横並びに一気に学ぶことの良さって、授業でのインプットを他の授業で腹落ちしたり、実践できたりすることだと思う。グループワークのコツは人材組織の授業そのまんまだし、マーケティングで学んだ便益は破壊的イノベーションの肝だし。

さらにそれを課題という強制力でアウトプットに繋げなきゃいけないから、自分の中で整理できるし、苦手な論理的に説明する力が少しは磨かれた気がする。


行ってよかった?

きつくないと言ったら嘘になるし、実際夏休みが終わろうとしている今、若干サザエさん症候群になってはいるけど笑、でも誰かに「行ってよかった?」と問われたら全力で「うんっ!!(大変だけどね…)」と答えられる経験ができる場所、それがビジネススクールだと思う。

いろんな校風があるから一概には言えないんだろうけど、放っておかれると怠けがちな私にとって、時間割があって、課題があって、超絶優秀な同級生がいて、テストや最終レポートもある大学院は自分を強制的にレベルアップさせるのにちょうどいい環境だったし、細かく手を動かすことよりも実務に活きる全体像を知りたいというニーズにもぴったりだった。

そして200人以上のモチベーションも能力も高くて、人柄も素晴らしい同級生と出会えたことが何よりも得難い財産。

人生100年時代ってことで、大人の学び直しが話題になってるけど、それまでできなかったことができるようになるってシンプルに楽しいし、新しい人間関係ができて世界が広がるから、めちゃくちゃいいことだと思う!


以上、普通の、転職すらしたことのないサラリーマンも、ビジネススクール行ったら意外とたのしく過ごせてるという日記でした。

来週からがんばろー!!


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