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バウハウスノスタルジー

先週、東京駅にあるステーションギャラリーで開催中の「開校100年 きたれ、バウハウス」展へ行ってきました。
平日の昼間、さらにはコロナ期にも関わらず、たくさんの方が見に来ていました。
やはり人気のバウハウス。

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バウハウスは知っている方も多くいらっしゃると思うので、簡単にご説明を。


「BAUHAUS」
それはドイツ中部の街ワイマール共和国に設立された、美術学校の事です。
その授業内容は大変画期的で、今までバラバラだった芸術の概念を統一し、現代の美術教育の規範になる教育システムを作り上げました。
さらには、デザインの合理性や機能性などを重視し、工業化社会と芸術のあり方の基盤を作りました。

デザイナーとして大事な「ユーザー目線でデザインをする」という思いは、まさにバウハウスの機能を優先的に考えたデザインが根幹にあります。今でも様々なデザイナーや芸術家に影響を与え続けています。

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講師のセレクトも素晴らしく、カンディンスキー、パウル・クレー、ヨハネス・イッテンなど名だたる方々がユニークな授業を展開していきます。

戦争の影響から、1919年~1933年の14年間という短い期間で閉鎖してしまったところも、貴重性が高い要因なのかなと思います。


バウハウスは日本でも人気で、定期的に展示をしています。

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仕事部屋の棚の、後ろに飾ってあるポストカードは、確か10年くらい前に上野で開催したバウハウス展で買ったものです。ずっと飾っています。


バウハウスの教育をモデルとしている日本の学校が、我が母校「桑沢デザイン研究所」です。
渋谷にある専門学校。設立は1954年と古く、歴史と伝統ある学校です。


バウハウス展で並んでいる作品を見ると、学生時代を沸々と思い出します。
ああ、こんな授業やったな〜〜〜と。
美術館にいるというよりも、教室にいるような。
昔の忘れかけてた記憶が蘇ってきて、懐かしさが溢れてきました。

数々の思い出と共に思い出した授業、それはコラージュの授業でした。
まずは、シルクスクリーンで透明な紙に文字を刷ります。次に好きな雑誌のビジュアルを切り抜いて集め、それらを組み合わせてコラージュ作品を作るというものでした。
私はその授業が大好きで、そして得意でした。
デッサンは苦手で大嫌いだったけど
その時から思えばコラージュが好きだったんだなあと。


バウハウスのグラフィックは、文字や幾何学を合わせたコラージュ的なものが多く、今見ても、かっこいいなと思います。

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さらには同時期にロシアの芸術運動である「ロシア構成主義」の作品もすごく好きでした。
映画のポスターや戦争を促す広告ポスターがメインで、商業デザインなのですが、芸術性もものすごく高く。

まさにコラージュの最骨頂。

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学生だった私は、私もこんな素敵な作品を作りたいなと思っていました。

それが回りに巡って20年後にコラージュが仕事になっているとは。

今回のバウハウス展を見て、その頃の記憶がどんどん思い出されてきました。
日々の忙しさによって、すっかり忘れていた当時の自分の思い。

大切にしたいなと思いました。


よく、人生に目標が目的を見失ったときに、純粋に小さい頃好きだったことを思い出すと良いと言われています。
まさにその通りだなあと。
「自分の本当にしたい事は何か」を突き詰めた結果、カモコラージュがあるわけで。
バウハウス展を通して、人生の答え合わせをした感じがします。


頑張って今の自分を作ってくれた昔の自分に、ありがとうと言いたいですね。
そして、10年後の自分にもそう思ってもらえるように、今やれることをしっかりとやっていきたいと思います。


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