UTMで実現した快適な仮想環境

 2016年発売のIntelチップ搭載のMacBook Proを使用していましたが、さすがに6年も経つとキビキビと動くのは難しくなってきたので、今年やっと新しいMacBook Proを購入し直しました。
 古いMacにはWindows 10をBootcampとして導入して、Windowsでしか動かない開発環境などを入れていました。しかし、Windowsを動かすのに、わざわざ古いMacを引っ張り出してこないとならないのも面倒なので、M2のMacBook ProにWindows環境を構築できないかと考えたのが、つい先週の事です。

 当初は、やはりARM版のWindowsを動かすのに一番導入しやすいParallelsかとも考えたのですが、サブスクリプションで年間何千円もかかります。こちらとしては、趣味の範囲でWindowsを動かしたいだけなので、年間何千円もかかるサブスクリプションは避けたいところです。
 フリーとなると、OracleのVirtualBoxはどうだろうかと考えたのですが、M1/M2に対応するVirtualBoxは7以降のようですが、まだDeveloper Preview版しかなくまだ安定しそうにもありません。
 どうしようかと悩んでいたところ、UTMというソフトウェアがGitHub上で公開されているとのことを聞いてダウンロードすることにしました。

 フリーで配布しているものと、Mac App Storeで配布しているものがありますが、バージョンも同じであり、両方とも同じものです。Mac App Storeのものはどちらかと言えば、開発者に寄付ができるものだと考えていいと思います。
 UTMをインストールした後、ARM版Windowsを導入するには、GALLERYの中からWindows 11を選択して、Guideに書かれている手順に沿って、ISOファイルを作成するところから始めなければなりませんので、若干ややこしい手順を踏む必要があります。ガイド自身は簡単な手順なので、読んでいただければ問題なくISOファイルをダウンロードすることは可能です。

 おそらくここに書かれていないところで注意する箇所としては、仮想ディスプレイカードに「virtio-ramfb-gl (GPU Supported)」の選択、Retinaモードを選択する、と言うところでしょうか。ネットワークのネットワークモードが当初「共有ネットワーク」となっていますので、必要に応じて「ブリッジ」などに変更いただければ、DHCPサーバーから新しいIPアドレスを1つ仮想環境に割り当てて貰えるようになりますので、何かと便利になるかと思います。
 Windowsをインストール後は、SPICE toolを忘れずにインストールすれば、それなりに快適に仮想環境を使うことができます。
 ただ、私だけの環境だけかもしれませんが、サウンドにバリバリというノイズが乗ってしまいます。色々と調べたのですが、ノイズを出さなくする方法が分からずノイズが乗ったまま使用しています。ゲームをしたりするわけではないため、多少ノイズが乗っていても問題はないのですが、何とか直したいものです。
 意外と驚いたのは、ARM版Windows上でx86、x64用に作成されたアプリケーションがそれなりのスピードで問題なく動くと言うことでした。
 x86、x64用の実行ファイルの動作も問題なさそうなので、古いMacからライセンスの移動を行い、Windowsはこちらをメイン環境にする予定です。
 あとは、Linux環境を学習用に作成しようかと考えています。最近のLinuxはARM用もちゃんと整っているので動かしやすそうです。

 M1/M2のMacの仮想環境をどうしようかと検討されていた方は、Parallelsの他にUTMというアプリケーションも一度検討してみてはいかがでしょうか。

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