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10 | プロジェクト別振り返り-環境教育プログラム-

どうも、こんにちは。

終わりに差し掛かろうとしている今、プロジェクト別にフィリピン、カミギン島での刺激だった日々を振り返っています。

第2回は、こんなこともやったなあと懐かしくなるような環境教育プロジェクト。

観光客に州の収入源を頼っているカミギン島。ただ、道端へのポイ捨て習慣付いていたり、分別されずにゴミが捨てられる市が多い現状があります。生活の中で使える知識を。もっとカミギン島をもっと持続性のある場所にしたいという想いから「情報教育を通して、人々の意識を変えよう」とスタートしたのが環境教育プロジェクトでした。

到着して間もない4月から動き出しました。

現地の人が課題感を感じていることしか、結局持続的なプロジェクトにはならないという観念から、島の政治的権力者も積極的に取り組んでいる環境問題に着目したのも事実です。


環境教育のプログラムを小中公学校と市と協働しカミギンの4つの市で400人以上の生徒と先生を対象に開催しました。プログラムといいますと、

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1. マイクロプラスチックやその市のゴミ収集の現状についてのショートプログラム
2. 海岸掃除

というような半日構成。

それぞれの市でのゴミ処理の統括をやっている方を呼んで話をしてもらったり、理科の先生と協力してTedEdのマイクロプラスチックについての動画をプロジェクターで流したり。どうすれば生徒の心に響くのか、頭を捻りました。

これをやってよかったと思えるエピソードがありました。半年以上前に開催した環境プログラムに参加した女の子がFacebookで"We have a new emvironmental Project" とわざわざ連絡をしてくれたのです。聞くと「あれからクラス内でゴミの分別をもっと意識してやるようにしてるんだ」と教えてくれました。彼女のように、たった半日のプログラムでも人々の価値観に影響を与えることができた子がいたことを嬉しく思いました。

ただ、現地の専門性がある方々に中心となってやってもらいたかったにも関わらず、二人三脚で協同できそうな現地団体や先生が見つからなかったことがこのプロジェクトの苦しかったところでした。

その一方、プラスチックと燃えるゴミを分けて回収しているのにも関わらず埋め立て地の場所は一緒という、そもそものゴミ処理能力に限界を感じていました。それを機に、セブに工場があるプラスチックを燃料に変える技術を持った日本の株式会社と協働をして、「カミギンのプラスチックゴミも燃料に変えることができないか」という提案を上げ、セブにある工場を訪問したりもしました。しかし、交通事情やその他詳細な必要条件なども考慮した末、現状だとその日本企業との協働の実現は難しそうという結論に至ったのでした。

なかなか小さな島のサスティナビリティは難しい。島内での処理が難しく、ゴミ処理を島の外でするにしても交通の便が十分に整っていないと金銭的な問題でその道が断たれてしまう。人口8万人の小さな島とは言え、これから経済活動が少しずつ活発になっていく中で廃棄が生む島への負の影響が心配です。

じゃあ、このプロジェクトで得られたものは何なのか?

このプロジェクトで得られたことをポジティブに考えると、学校と市役所が共同で開催するというプログラムを作る過程を学べた点と、各市との連携のコネクションが作ることができた点は今後にも生かせるのかもしれません。

しかし、結果的に単発的なイベントになってしまい、持続性を考えた面で反省すべき点があるプログラムであることは間違いないと思っています。

「このプロジェクトで何か現地に残すことができたのか?」

自分に問いかけても答えはNoでしかなくて。初っ端から勢いを飛ばして取り組んだこのプログラムを振り返り、改めて0から1を作ることの難しさ・自分自身の力不足を強く感じました。

さて、続いてのプロジェクト振り返りは、島の看護師との性教育プロジェクトワークショップ編を振り返ってみたいと思います!

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