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俳句マガジン 「ランタン」

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小生の処女句「ランタンはゆつくり灯る秋の雨」より。これから俳句を始める人や、句作に悩んでしまった人たちの、道を少しでも照らせたらと思う。
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2021年6月の記事一覧

俳句 雑詠2句

 昔から妙に楽天的だった。これまでの人生を振り返って、心の中で呟いてきた言葉大賞をやったら、間違いなく一番は「まあ、なんとかなるだろう」だ。故に、運動にしても勉強にしても仕事にしても恋愛にしても、切羽詰まってことに臨んだことがなかった。そして、幸いと言うべきか不幸と言うかべきか、そんな屑みたい態度でありながらも、何故かそこそこな結果はついてきたわけで、まあ、これからもそんな生活を送っていくのだろうなんて考えていた。  しかし、今小生の目の前には、生まれて初めて心から欲するも

房州オンライン句会 21年6月句会結果発表

「房州オンライン6月句会」の結果を発表します。今回も当季雑詠・1人2句までの条件で募集いたしました。  参加者は15名で、計30句が集まりました。ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました!  今回の天の座(得点1番)は10点句で1句。地の座(同2番)は6点句で1句、人の座(同3番)は5点句で1句でした。点数は参加者の皆さんに「特選1句=2点」、「並選2句=各1点」にて選句していただき、集計しています。  また、今回は結果発表の前に、俳句界の中で「房州オンライン

俳句 雑詠3句

 小生、人生好調な時は俳句なんてしません。嫌な事があったり、気分が落ち込んだ時に俳句を嗜んでおります。ここ最近は仕事も家庭も絶好調だったので、俳句から離れておりました。このまま俳句を忘れて生きていけるのではないかと、本気で思っておりました。はい、見事に砂上の楼閣でした。また十七音に戻って参りました。そしてまた、こんな鬱々とした句を妄想し、公開しようとしている訳であります。 夏の墓新約の書を置いて去る 蝉時雨曼荼羅のどの辺に母 浮輪置く海を知らない子の墓に 亀山こうき

連作20句 夏の夜

 小生が参加している俳句同人「ペガサス」の名物企画、錬成20句に提出したものを以下に記す。20句全て、季語は「夏の夜」という縛りを課した。ご感想賜れれば幸いである。 夏の夜の祖母のピアノの薄埃 夏の夜の祖母の愛したドビュッシー 本棚に数多の楽譜夏の夜 ぼろぼろの楽譜が一つ夏の夜 夏の夜や楽譜の裏に男の名 夏の夜の隠されていた古き文 コーヒーの雫の波紋夏の夜 筆跡の細く震えて夏の夜 まるで遺書めく恋文だ夏の夜 昔男あり夏夜に記す恋の文 夏の