【句集紹介】花詞 鍵和田秞子句集を読んで
・紹介令和2年6月。小生は一つの訃報を目にする。
鍵和田秞子。
今回は、平成期を代表する女流俳人であった彼女の句を、哀悼の意を込めて紹介したい。
彼女の句の特徴についてであるが、彼女の句にはいつも少女がいる。真っ白な衣服を纏い、長く透き通るような黒髪を持っている、どこか物憂い感じの少女だ(小生のイメージです)。そして17音の中で描き出される美しい光景の中に、諸行無常が匂っている。彼女の句の根底には「命」に対する尊厳がいつも見え隠れしているように思われる。「人間探求派」と