見出し画像

コロナ禍でカメラメーカーはやばいでしょう

コロナ前の状況はソニーの一人勝ち状態の中、ニコンがZ50の意外なヒットで少し息を吹き返した。ただ、この業界の売りを稼いでいるのは未だにコンパクトカメラだ。

ソニー
このコンパクトカメラでも最も上手く回しているのがソニーである。大ヒットしたRX100がシリーズで8機種。1機種もディスコンせずに売っている。考えられない好調さだ。ミラーレス一眼も、ソニーマジックと言うか、謎と言うか、ブランド力で売れまくっている。

キヤノン
ここもコンパクトカメラは強いが安物中心の展開で利益は出ていないどころか、赤かもしれない。ブランド力が全世界的にあるのが救いで、フォロワーの多いyoutuberみたいなもんだ。しょぼい動画でも視聴数だけは上がる。フルフレームミラーレスを出したが、それほどの勢いはなく、APS-C専用のMマウント機の方が好調である。しかし、マウントが増え過ぎて、交換レンズのラインナップが厳しいことは誰にでもわかる。
一眼レフの時のようにAPS-C用レンズは少し性能悪くて安物だけ作り、フルフレーム用レンズで高性能を出すことで、フルフレームへステップアップさせる王道の戦略が取れなくなっている。

ニコン
冒頭にも書いたようにZ50のヒットによって救われている。フルフレームミラーレスとしてZマウントを提案したが口径とフランジバックのアンバランスは少々絶句したが、ラインナップの成功は良かった。キヤノンのように慌ててAPS-C専用マウントを作らなかったのは正解だった。だが、ニコンもコンパクトカメラから撤退し、売りのマスが取れないのは厳しいだろう。でも、あのニコンですから何とか頑張って欲しい。

ルミックス
ミラーレスで気を吐いているように見えるが、売りを支えているのはコンパクトカメラ。そのラインナップも今はグダグダだ。この会社は物は良いのに売れないというジレンマから脱却できていない。国内ですら売れ筋ランキング10位に入ってこない。マーケティングがヘボ過ぎるとしか言いようがない。

オリンパス
一時の元気は無くなった。ソニー資本が入り、カメラ開発は技術者教育のためにあると位置づけをされたようで、今では主事業となった医療機器の2軍みたいなもんだ。マイクロ4/3しかないラインナップでは、余程のイノベーションがない限り、売値も上限が決まっているようなカテゴリーになっている。ルミックスのように動画に強烈な強みも無いのに、高値付けても売れないだけである。

富士フイルム
ニッチな分野で固定客から口コミで少しづつユーザー層が広がっている。感材メーカーなだけにプロ写真家をマーケッターとして上手く使いこなしている。下手に安物や動画などに手を出さず、小規模安定で正当な利益を確保する戦略に徹して欲しいと思う。

ペンタックス
最も心配なメーカーである。45年前は最も名の知れた一眼レフメーカーだった。「ペンタックス、ペンタックス、望遠だよ。ワイドだよ。」のCMは国民全員が知っていた。しかし、Kマウント戦略の失敗で一流から陥落した。当時、マウントは各社の顔であり、独自性の象徴であった。何を血迷ったか、それほどの進歩性もないのに、ユニバーサルマウントとしてオープン規格としてしまった。今ならまだ可能性はあっただろうが当時としては、誰もが悪い意味で衝撃を受けてしまった。今のラインナップも一眼レフしかなく、その上、「どうしたの?」と聞きたくなるようなデザインだ。自分が最初に買ったカメラがペンタックスだったし、個人的にはLXや6x7など憧れでもあっただけに残念でならない。

今後
さて、コロナ禍前でこんな状況である。
コロナ禍真っ只中の今、

「カメラ必要ですか?」

誰も必要ないですよね。どこにも行けないのに。
もうすでに4ヶ月間は、売り上げ3割程度まで落ち込んでいるでしょう。
各社の状況から言って、ペンタックスとルミックスは危ないと推測します。まだ、ペンタックスはカメラ大好きなリコーという後ろ盾はあるが、ルミックスは家電屋さんです。見切りは早いでしょうね。

カメラ業界人であった私としては、どのメーカーも耐えて欲しいと心から思っています。が、ここで立ち直れるかどうかは、事業責任者の事業センスと手腕、特殊なカメラ業界への造詣があるかないか、そして優秀な参謀かいるかどうかで決まります。

#カメラ #コロナ禍 #カメラメーカー