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フォトキナ事実上の終了?

若い頃、ドイツのフォトキナとアメリカのPMAに行くことが憧れだった。

PMAはラスベガスで開催され、煌びやかな世界を満喫して、帰りはハワイで遊んで帰る。これが当時の開発者への最大のご褒美だった。

フォトキナはケルンで開催。大聖堂を訪れ、光学の聖地ウエッツラー巡りが楽しみである。


先に消滅したのはPMAだ。2010年の単独開催を最後にCESなどと共同開催したが、2017年以降はPMAの文字はどこにも見られなくなった。


PMAのショーがいつからスタートかはわからないが、PMA自体は1924年に発足している歴史あるアメリカ写真業界団体だ。コダックやポラロイドというアメリカの感材および写真機メーカーが技術の先端を走りだしたころにスタートしている。

一方、フォトキナはドイツ写真機メーカー最盛期の1950年にスタートしている。


そのフォトキナがコロナ禍の影響もあり、2020年の見本市の中止を発表した。主催者は2022年5月以降で検討と言っているようだが、急速な市場の縮小もあり事実上の終了宣言と捉えるメディアは多い。


元々PMAもフォトキナも自国メーカー全盛期に世界見本市というスタンスで開催されてきたはずである。


ところが1970年代にはすでに欧州のカメラメーカーも米国のカメラメーカーも日本メーカーに淘汰されている。そんな中でここまで世界最大のカメラ見本市を守ってくれた事には感謝しかないだろう。


本当にフォトキナが終了してしまうと、世界的なカメラ見本市は事実上CP+だけになってしまう。ほぼ日本メーカーしかないのだから、当然と言えば当然ではある。


しかし、メーカーが日本にしかなくとも、カメラは世界中で使われるものだ。規模は小さくても良いから、各社協力して、欧州と米国での見本市開催はやるべきではないだろうか。


市場が縮小し、業界各社が苦しいことは誰もがわかっている。だからこそ、世界にアピールして写真文化、カメラ文化を盛り上げる行動が必要に思う。だって、あれは業界としてのお祭りごとなんだから。


あの煌びやかだった世界最大のお祭りが消えてしまう、消えることなど絶対にないと思っていたお祭りにも幕が降りることがあるのだと思い知らされた気分だ。


寂しい限りだが、今こそ踏ん張りどころなんだろう。

2022年フォトキナが戻ってくることを期待しよう。