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【カンボジアニュース】プノンペンの特殊詐欺拠点摘発のその後

日系メディア各社報道等をまとめてみます。日本の警察から「オンライン詐欺をしている日本人グループがいる。日本で被害が出た事件に関与している疑いがある」として身柄を確保するよう要請を受け、国家警察が11日にプノンペン市内のアパートを捜索しました。その際、部屋にいた25人を拘束し、パソコンやスマートフォン、マニュアルのような文書を押収しました。11日の夜は拠点でそのまま一晩を過ごすこととなり、翌12日の朝、勾留施設へ移動する前の午前9時30分前後に、複数の容疑者が逃走しました。少なくとも12人が逃走したとみられており、そのうちの3人がいまだに逃走中の模様です。在カンボジア日本大使館によると、大使館職員が14日夜、国籍や身元の確認を終えた模様で、25人が日本国籍とみられています。

近年、東南アジアを拠点とした特殊詐欺グループの摘発が相次いでおり、カンボジアにおいては今年3件目の摘発です。今年4月には南部シアヌークビルのリゾートホテルの捜索で見つかった日本人19人が拘束されましたが、その事件と今回の事件との関係性について指摘する声もあります。また、リゾートホテルの実質上のオーナーが日本人ではとの噂も出回っており、一連の事件との何らかの関係性を疑う声も聞こえてきます。


昨晩放映のテレビ朝日系サタデーステーションでは特集が組まれ、日本でどのような詐欺が行われていたのか、またカンボジアでの容疑者の逃走経路についても掘り下げた報道がされていました。

昨晩のサタデーステーションにおいては、私もコメントさせていただきました。

逃げた3人について、現地の日本人会の会長は…

「これだけ長い期間逃走できるっていうのは、恐らくは逃走を助けてる人がいるのではないかと思う。
受け皿となる日本人がカンボジアにいると思っています」

テレビ朝日「サタデーステーション」2023年9月16日放映

12日昼の時点で入手した情報によると、テレビ朝日が報道した8キロ先の地点からさらに十数キロ先のこちらの地域で目撃情報があったようです。その後の足取りについては公開されていませんが、近日中の逮捕が期待されます。

逃走中の容疑者3人が監視カメラに映っていました。
プノンペン郊外約20キロの地点、9月14日撮影

また、今年4月10日の参議院決算委員会における谷公一国家公安委員会委員長の答弁においては、2回にわたってカンボジアについて言及されており、カンボジアで起きている事象についての日本政府の関心も窺えます。

「警察としても、本プランに基づき、幅広い省庁と協力しながら一層強力な対策を推進するとともに、つい先日もカンボジアの話がございましたが、外国当局との更なる連携強化も図りながら、犯罪の首謀者や指示役も含めた犯罪者グループの実態の解明、そして検挙を更に推進していくよう指導してまいりたいと考えております。」
「特に、犯罪者グループの壊滅に向けては、犯罪の首謀者や指示役も含めた犯罪者グループの実態の解明、そして検挙、また犯行利用電話の利用制限等の犯行ツール対策、さらには特殊詐欺事件の背後にいると見られる暴力団等に対する多角的な取締りなどを更に推進していくよう指導してまいりたいと思っております。」

カンボジアにおける反社の台頭は数年前から懸念されていました。昨年6月16日には、在カンボジア日本大使館から「大使館からのお知らせ(邦人同士のトラブルに関する注意喚起)」が在留邦人に対して発信されており、「最近、当館に対して在留邦人や邦人短期渡航者から、当地において邦人同士の間で経済的被害や身体的被害を伴うトラブルに巻き込まれた旨の相談が寄せられています。」と、異例の警鐘を鳴らしていました。

また8月26日には「就労斡旋を騙り不法行為や強制労働に従事させる監禁事案に関する注意喚起」において、「最近、カンボジアにて好条件の仕事があるなどとして外国で希望者を勧誘し、カンボジアに到着した直後に旅券や連絡手段を取り上げ自由な外出を制限するなど監禁状態に置いた上で、当初約束していた活動とは異なる不法行為に従事させたり本人の意思に反して労働を強いるような事案が発生しており、少数ですが邦人の被害事例も報告されています。」と日本人の被害についても警鐘を鳴らしていました。

また、大使館からの発信においては「カンボジアでは以前より国内外の犯罪組織による不法な活動が問題となっていましたが、法制度が未発達で汚職も蔓延しているともされており、当局による取り締まりが十分ではなく、こうした不法行為に巻き込まれた場合には解決が容易でないこともあります。」とも警鐘を鳴らしていました。

今年に入って三件続いたカンボジアでの特殊詐欺事件発覚ですが、これらは氷山の一角とも言え、今後も両国の強力による摘発が期待されます。

SNS等では、売春やその他の違法行為に関係すると推測されるカンボジア求人情報などが散見されます。反社勢力は特殊詐欺以外にも、カンボジアにおいて様々な犯罪に加担してると推察されています。

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