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印象に残ったカメラカタログ(Part2)

前回に引き続き、今回も印象に残ったカメラカタログの紹介をしていく。
著作権に配慮し、ここでも斜線を引いておいた(意味があるか分からないが)。


●New Mamiya6(1994年05月)

マミヤは35mm版カメラも出しているがほとんど存在感が無い。しかし中判カメラでは主力メーカーであり、マミヤを語らずして中判カメラは語れない。

このカメラはNewと名前が付いているが、かつて存在したスプリングカメラと呼ばれる携帯型の中判カメラ「マミヤシックス」の後継と位置付けられたカメラであろう。そのコンセプトを引き継ぎ、カメラマウント部分が沈胴式となっており、携帯性に優れたカメラだった。

このカメラはいわゆるレンジファインダーカメラで、距離計によってピント合わせを行う。その見え方はクリアで、一眼レフのようなマット感が無く見え方は抜群。「一眼レフカメラのファインダーは光学式で素晴らしい」と言っているような一眼レフ厨には、このようなカメラのファインダーを見せてやりたいほど。ただし、このファインダー前部は薄いガラス製で、ちょっと当たるとすぐに割れてしまう。ボクは2台持っていたが2台とも割ってしまった。

交換レンズが3本あり、その中でも使うのは広角50mmがほとんどであった。やはり携帯性の高さにより登山で活用することが多かった。グリップが握り易く、そしてレンズシャッター式のため振動も小さいのでブレが少ない。
ただし電子式カメラであるため、電池切れでピンチになったことは何度かあった。

カタログの話としては、通常ボクはコレクションとしてカタログを収集しているわけだけれども、このカメラのカタログは何冊も入手し、カメラ本体だけでなく付属品などの購入検討用として活用することが多く、ボロボロになるまで使ったものだ。今でも、このカタログを開くと、新品で買えそうな錯覚でワクワクしてしまう。

●Nikon DLシリーズ(2016年03月10日)

このカメラは幻のデジタルカメラである。そういう意味では、このカタログも貴重であろう。何しろ、カメラが発売されなかったからだ。

そしてボク自身、かなりのダメージを食らった。と言うのも、AMAZONで「DL178-50」を予約注文を入れていたのだ。1インチセンサーで接写も可能な広角ズーム付きのカメラ。カタログに書いてあるとおり、まさにプレミアムなコンパクトカメラ。高画質なカメラを手元に忍ばせておいて、何かを見付けた時にサッと取り出して撮影する。
しかしその夢も、AMAZONからのキャンセル通知により崩れ去った。

このカタログを見るたび、製品が発売されていたという錯覚に陥る。

●TAMRONレンズカタログ(1982年07月)

当時のタムロンはマウント交換式で、レンズ1本で一眼レフメーカー各社に対応するシステムとなっていた。タムロンでは「アダプトール」と呼んでいたが、今で言うマウントアダプタである。当時はトプコン用のものまで用意され、本当にありとあらゆるメーカーに対応していたのだ。

色々と興味深いレンズが多く、そういう意味ではカタログを眺めるのが楽しかった。しかし一度も買いたいとは思ったことが無かったのは、やはりレンズのデザインが角張って野暮ったいというところが一番の原因。
申し訳ないが、レンズそのものよりもカタログをもらったほうが嬉しい。

●OLYMPUS E-1(年代不明)

このカメラも、カメラそのものよりもカタログのほうが嬉しかったカメラであった。
デザインやメカニズム的に興味を惹かれる部分が多く、実際、カタログにも技術情報が多く載っているのが良い。
ちなみにボクは、このカメラによく似たE-20を使っていたのだが、グリップのゴム部分が経年劣化の加水分解によりドロドロに溶けてしまった。

このカメラの、当時としての売りは、フルフレーム型CCDを搭載しているという点である。
余談だが、現在よく外国人が「フルフレーム」と言っているのはイメージセンサーの大きさを示す「フルサイズ」のことであり、本来「フルフレーム」という名称はCCDの信号伝送の方式の違いのことで、これまでのビデオ用CCDのインターライン型に対する言葉である。つまり、現在「フルフレーム」という言葉を使っている外国人はその点がよく分かっていないのだろう。

●Nikon生物顕微鏡総合カタログ(1987年12月1日)

このカタログは完全に研究機関向けのもので、ボクはニコンに葉書を出してこのカタログを送ってもらった。
内容は色気が無いところがまた良く、値段も数百万円もの顕微鏡が並んでいるさまは圧巻。
当時憧れだったNikonF3がこのカタログでは付属品的な扱いを受けているのがまた良かった。

●Nikon F3AF(1984年11月1日)

NikonF3は多くの派生型を産み出したカメラである。
・NikonF3(アイレベル)
・NikonF3HP(ハイアイポイント)
・NikonF3/T(チタン)
・NikonF3/Tブラック(チタン)
・NikonF3P(プレス向け)
・NikonF3Limited(プレス向けの一般販売)
・NikonF3H(ハイスピードモーター)
・NikonF3ラピタ(雑誌ラピタとのコラボ)
・NikonF3メディカル(眼底撮影用特注ファインダー付き)
そして、この「NikonF3AF」である。

ニコンはNikonFの時代から、新しい機能は交換ファインダーに搭載することがお家芸となっており、F3でもAF機能をファインダー部分に全て詰め込んで実現させた。そのせいで頭でっかちになり、どう考えても無理があるデザインに困惑した。
しかしながらメカニズム的には興味を惹かれるところが多く、やはりこのカメラもカタログを眺めて楽しむためのものであると言える。

なお、実機に触れたことは無いが、ウワサではそこそこ実用的に使えるAFだったと聞く。

●Kenko-COSINA Bessaflex-TM(年代不明)

コシナというメーカーは、安価なベースカメラを他のメーカーにOEMとして卸していた。だから、「NikonFM10」や「OLYMPUS OM2000」など、そのメーカーらしくない製品があったのはそのせいである。

このBessaflexTMは、その自社のベースカメラを使って組み上げたと思われる。であるから、カメラ機能としてはパッとしたものではないが、デザインがなかなか良いところを突いてきたと思った。カメラとしては安っぽいので欲しくないが、デザインとしては使いたくなる。

結局のところ手を出すには至らず、これもカタログを眺めて楽しむほうを選んだ。

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