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遅刻常習犯の虚飾性

免許合宿三日目。
iPhoneのタイマーで7時ちょうどに起床。
点呼は7時20分から8時まで。安堵。
体感5秒後、Mランド受付からの着信。
「点呼って来られましたか?」
時計を見る。8時3分。
絶叫と共に一日がはじまる。

ダサいパジャマ(マインクラフトのTシャツとペイズリー柄の短パン)とボサボサの髪、眼鏡をかけたまま敷地内を爆走する一般髭面ロン毛男性。
息を切らして受付に滑り込んだ努力の甲斐もあり、点呼の遅刻については赦しを得る。
技能教習を受けるのに必要な配車券を受け取り、パジャマのポケットに突っ込む。8時10分。教習は25分から。
爆走のコピー
部屋に戻り、服を着替え、コンタクトを装着、荷物をまとめて部屋を出る。
爆走のコピー(1)
教習場所の近くまで来て気付く。Q.配車券どこ? A.パジャマのポケット。
爆走のコピー(2)
部屋に戻る。配車券を回収。ついでに部屋に置いてきた日傘も持つ。
爆走のコピー(3)
走りながら日傘は差せない。
爆走の甲斐あり教習2分前に到着。自販機で飲み物を買おうとするも、財布を部屋に忘れる。そういう人生。
息を切らして現れる髭面ロン毛に困惑する教官。かわいそうに。

技能実習を終え、食堂に向かう。朝から何も口に入れていない。助けてください。9時20分。
食堂の朝食は9時で終了していた。ありがとうございました。
売店でパンとコーヒーを購入。5ダラー(Mランド独自の素敵な通貨 前回記事参照されたし)を失う。

学科教習の教室に向かい、唯一の知り合いボーイの隣に座る。寝坊してもうてさ、受付に呼ばれてさ、、、
「朝爆走してた人すか!?」
前列の茶髪マッシュにデカい声で話しかけられ、終わった。

Mランドには食事処が三か所ある。一つは「ジローズ・デリ」。朝昼夕食を全て提供している唯一の食堂。今朝は逃した。
次に「カフェ・ミロ」。気の良いおばちゃんとその他若いの複数で回している。昼食を出している他、有料でパンやコーヒーなども提供している。売店が併設されており、よく教官がアイスやパンを購入していて、微笑ましい。
最後に、「オアシスたく」。二輪コースなどがある見晴らしの良い山に建っている。温かみのある木造建築で、昼食時にカレーライスやハヤシライスを提供している他、少し課金することでネギトロ丼など各種豪華メニューも注文することができる。今日はここでカレーライスを食す。

いぬもいた

本日2回目の技能教習。余裕を持って(1分前行動)到着。
この教官が褒めてくれる褒めてくれる。左折すれば「良いですねえ」、バックすれば「綺麗じゃないですか」、ブレーキ踏んでも「良いスピード加減ですよ」。この教官だけが俺に指導をしてくれ。
ただ終始、背中が浮きがちなことと目線が泳ぎがちなことを指摘される。キョドキョド。

夕食。ジローズ・デリは木曜日限定で白米が玄米に変わる。

麻婆豆腐に玄米 悪くなかったよ

未だに友達を作れていないので、一人でモソモソと食べていると、チャラそうな雰囲気のメンズ二人が近付いてきた。
「すみません、ここで合宿されてる方ですか?」
「はい、3日前から」
「お兄さん、タバコ吸われますよね」
見た目だけで判断したやろバカタレ!
「吸われてますか?」とかじゃなくて「吸われますよね」と言われてしまう、一般髭面ロン毛男性。
どうも彼らはこの全面禁煙のMランドでどうしてもタバコが吸いたいらしい。タバコ吸ってそうな風貌の私に声をかけて、職員に見つからない穴場を教えてくれと。知らんわ。
適当に山でも登ってみろとアドバイスし、彼らは帰っていった。
若い時分にはそんな反骨心も良いよね。がんばれ。

教習を受けるにあたり、まず適性検査というものを受ける。実は昨日その結果が返却されていた。

おわかりいただけただろうか。
虚飾性 C
「自分をよく見せようとして、多少、背伸びをしたがる傾向がみられます。」
とのことで。人生の苦しいところをクリティカルに刺されている。そうです、私は虚飾まみれの人間。
もっとありのまま生きられたら楽でしょうか。つまらない人間になっちゃいませんか。背伸びして自分をよく見せないと、自分の周りには人が集まってこない。虚飾に依存している私。人生。虚像の範囲が拡大している。


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