【息ぬき音楽エッセイvol.21】 Rachael Daddと中島らも by 村松社長
みなさまこんにちは。カロワークスの村松社長です。
Noteでご挨拶するのがほぼ2ヶ月に一度になってから、さらに月日が爆速になった感。もう一年の半分以上過ぎたなんて嘘でしょ…。
人間、春の木の芽時や連休明けの5月などは気持ちが落ち込みがちになるものですが、今年は何となくずっとどこかに引っかかりがあるような、「100パー元気!」とは言えない気分の社長。
少し落ち着いてきたものの完全な収束が見えないマスク生活や、今年2月に始まってしまった戦争への憤り、そんな空気感が原因でしょうか。
こんなときは書いている私も読んでいるあなたも元気になってほしい!ということで、今日は社長がむかし大いに救われた2人のお話をしたいと思います。
まずは一人目の中島らもさんですが、皆さんはご存知ですよね。
「今夜、すべてのバーで」「ガダラの豚」などの小説やエッセイ、ラジオのパーソナリティやテレビ番組の構成、劇団リリパット・アーミーの主宰、音楽活動など、さまざまな分野で活躍した方です。
アルコール依存症に長年悩まされ、うつ病や違法薬物使用による逮捕なども経験して、残念ながら2004年に亡くなりましたが、今でもたくさんの人々に影響を与えています。
社長はらもさんのことを長年「心の友」として愛しておりまして、もちろんお会いしたことはないのですが、その文章や発言にいつも励まされています。
らもさん独特の話し方モノマネを習得し、事あるごとにらもさん化していた時期もありました(失礼)。
数あるらもさんの言葉の中で、ある時とても救われた気持ちになったのが「その日の天使」というエッセイです。
このあと、猛烈な締切に追われ、体調や家庭の状況も良くなかったある夜、突然焼き芋屋さんの歌が聴こえてきて、これがその日の僕の天使だった、とらもさんは書いています。
この文章を読んでから、つらい時にはその日の天使を探すようになりました。
らもさんの言う通り、不思議なことに絶好調の時には本当に気が付かないし、何なら天使を探すことすら忘れています。
今日の天使は誰かな(何かな)、と考えるだけでその日を生きる気力になるし、自分が絶好調な時は誰かの天使になれるかもしれない、という希望になったり。
「あの人に会いたい 中島らも」
(8:20あたりで「その日の天使」の話をしています)
そしてここでご紹介したいのが今日のお二人目、レイチェル・ダッドさん。イギリス出身のシンガー・ソングライターで、日々の家族との生活やアート、テキスタイルなどと音楽活動を分け隔てなく楽しんでいる、というイメージの方です(社長の中で)。
イギリスの新しいフォーク・ジェネレーション、と言われたりする彼女。ギターやバンジョーを使った手作り感のある曲が多くて、聴いているとほっこりします(実は歌詞が政治的だったり、ほっこりだけではない面もあってそれもまた好き…)。
普段は本当に何気なく聴いているのですが、彼女のある曲が「その日の天使」になったことがありました。
ひたすらこちらに向かって「話せ、話せ」と言ってくる歌詞…。
絶好調の時だったらただの楽しい曲か、「もー、しつこいなぁ笑」くらいにしか思わないのですが、つらい時にふとイヤホンから流れてきたこの曲には、はっとするほど救われたのでした。
考えてみると、つらい時に人は黙りがちになります。気持ちを他人と共有することもできなくなって、自分の中に閉じこもりがちになると、ますます気分が落ち込む…という悪循環。
「あなたは型にはまらないのね、それはいいことだ、さぁ、話そう」
「私もあなたもエイリアンだし、とりあえず話そう」と言ったあとに、「あなたは一人じゃないよ」と繰り返し言ってくれる…。おせっかいなお隣さんみたいな曲だと思いませんか?
突然目の前に現れたレイチェルさんに手を掴まれて、無理やりコンビニのアイスをおごってもらったような気持ちになりましたよ…。
音楽は人を元気にする、音楽に救われる、なんて百万回聴いたような言葉を実際に体験した、目のさめるような瞬間でした。
その日の天使は思わぬ形で急に現れるので、皆さまも気を抜かずに探してみてくださいね。ではまた次回!
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