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【息ぬき音楽エッセイvol.20】BiSとファンネーム by 村松社長

みなさまこんにちは。カロワークスの村松社長です。
すでに2022年も2ヶ月が風のように過ぎ去ろうとしていますが、みなさま最近どうですか?ちゃんとご自愛してますか?
はい、社長はお察しの通りややお疲れ気味でございます。去年の前例がありますが、疲れている時は推しにお護りいただくしかない…。ということで、今日は推しのお話と、「推す側の自分(たち)」についても考えてみようと思います。

さっそくの本題、本日の推しというのはBiSのみなさまです。
2010年に結成、メンバーの入れ替えや解散・再結成などを経て、現在第3期として活動中の日本の女性アイドルグループなのですが、ファーストサマーウイカさんやテンテンコさんが所属していたグループと言ったほうがピンとくる方も多いかもしれません。

BiS様は、あえてあまり理由を説明せずに「好きなもんは好きなんだよ!」と言いたい存在なのでお許し願いたいのですが、きっかけだけお話しますと、社長がはまったのはVampilliaというバンドのこの曲経由でした。

Vampillia「Oops We Did It Again (Bombs BiS)」2014

BiSのメンバーが発するボソボソとした独り言や泣き声や喘ぎ声、げっぷやくしゃみといった音がひたすら続くわけですが、いわゆる「アイドル」と言われる存在から程遠いこれらの音を躊躇なく出す彼女たちに、心を鷲掴みにされたのでした。

彼女たちに関してはもう1曲だけ、デビュー時の曲で振り付けが話題になったこちらをご紹介しておきます。

BiS「パプリカ」2011

歌っていないメンバーはひたすらヘドバンしているだけという…笑

ちなみにBiSを手がけたスタッフが2015年に始めたBiSHも社長は大好きで、
昨年末の紅白出場は正座して拝見し、その後の炎上や2023年での解散発表に精神をかき乱されている一人です…。

さて、ファンの間では周知のことなのですが、BiSのファンは「研究員」と呼ばれています。BiSHファンの総称は「清掃員」なので、社長は研究員兼清掃員、ついでに馬の骨、ということになります(誰のファンかお分かりでしょうか)。

こうした、アーティストやアイドルのファンの総称を「ファンネーム」(ファンダムネーム、ファンネ)と言うのですが、この文化、ちょっと面白いと思いまして。
BiSHに至っては、メンバーそれぞれのファンにもファンネがあります(アイナ・ジ・エンドさんのファン=THEENDER、アユニ・Dさんのファン=お兄たんズ、など)。

ジャニーズやK-POPなどでお馴染みというイメージですが、アイドルやミュージシャンにとどまらず、芸能人やお笑い芸人やVTuber、スポーツやアニメやゲームや小説、食品に至るまで、何でもファンネが付いているようです。

日本語ではこの方がかなりの数まとめて紹介してくださっております。
(生姜好き=”ジャンジャラー”とか、初耳…)

そして海外バージョンはWikipediaにもページがありました。

ファンネームにはファン同士の連帯を強めたりする効果があるのだと思いますが、自分が知らず知らずに属している肩書きの名前を知るのも、また興味深いことです。

ここで俄然「ファンネームの起源」、つまり一番最初のファンネームは一体何だったのか?ということが気になってきました。
しかしながら調べてもなかなか判明せず…。その代わり、「ファン」についてのこんな興味深いテキストを見つけました。(英語です)

この方によると、「ファン」という名前が使われたのはおそらくスポーツの世界が初めてだそうです。そして、対象に対する単なる熱狂がムーブメントになるには、「ファンダム」(ファンのコミュニティ)の存在が重要であると述べられています。

社長が興味深く感じたのは、15世紀中頃の印刷術の発明によって、一般市民もファンダム運動を盛り上げるためのあらゆるネタが手に入るようになった、というところ。印刷術は宗教革命をはじめ人間に重大な変化をもたらしましたが、推し活が可能になったという視点は斬新でした。

現代的なファンダムの元祖はコナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズ」のファンダムであると考えられています。(もしかしたら「シャーロキアン」がファンネームの元祖なのかも…?)
1893年にシャーロック・ホームズがコナン・ドイルによって「殺されて」しまった後、ファンたちがシャーロックを生かすために自分たちで物語を書いて発表したとか。つまり「推しの死」を乗り越えるための二次創作が、1800年代の終わりには始まっていたわけです。

一方で日本の方に目を向けますと、江戸時代から使われている「ファン」に意味合いの近い「贔屓(ひいき)」という言葉があります。
ただのファンというよりも、「パトロン(後援者)」という意味が強いようですが、「BiS贔屓」とかカッコいいから使ってみたい…。

贔屓の語源は何かというと、中国の伝説上の生物「贔屓(ひき、Bixi)」から来ているそうです。贔屓は竜の子どもで、重たいものを背負うのが大好きだとか…。しかも「Bixi」は重いものを背負って鼻息を荒くしている擬音語。ファンである自分たちの姿を描写されているような微妙な気持ちになりますね…。

そんな贔屓ちゃんの姿はこちら↓

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*画像は「龍生九子系列之贔屓 - 每日頭條」よりお借りしました

自己の姿を省みることができたところで、日々を豊かにする推しの存在に感謝しつつ本日はこの辺りで…。また次回!

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