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【息ぬき音楽エッセイvol.14】岡村靖幸と『シティーハンター 』by 村松社長

みなさまこんにちは。カロワークスの村松社長です。
雨の間から夏っぽさが顔を出してきましたね。皆さまいかがお過ごしでしょうか? 社長はいち早く蚊に刺されまくっております。

唐突に質問なのですが、皆さま人生で初めて自分で買った音源は何でしたか?
サブスク全盛の現代、もはや音源を自腹で買うことはないのかもしれない…と思うと隔世の感がいたしますが、サブスクご利用の方は「有料プランにして最初に聴いた曲」が思い出になるのでしょうか。

如実に年齢がバレる質問なので躊躇しますが、社長はと言うと、CDでした。しかもアニメのサントラです。

ご存知のとおり、北条司原作のアニメ『シティーハンター』のサントラですよ。いま調べたら『シティーハンター』のCDってたくさん出ていたんですね。私が買ったものは曲と曲の間に寸劇パートが入っていたので、これだと思います。(記憶では2枚組だったけど、どうやら1枚ですね…)
CDはいつの間にかどこかに行ってしまったものの、アニメのCDを買ったのは後にも先にもこれだけです。

当時はPSY・S目当てに買ったような気がいたしますが、この中に本日の主役である岡村靖幸さんの曲が入っています。
いろいろあった後、2011年の本格的な活動再開からの岡村ちゃんももちろん応援していますが、80年代後半〜90年代前半の彼は何というか特別な存在でした。

ここで定期的に確認してもらい泣きしている動画をご紹介しておきますね。

岡村靖幸「イケナイコトカイ」(1988年ライブ)

岡村ちゃん…辛かったんだね…泣

『シティーハンター』のCDに収録されているのは「Super Girl」という曲で、アニメ放映当時子どもだった社長にはちょっと理解の範囲外にある”難しい曲”でした。

(改めて観るとこのPVスゴイですね…笑)

メロディーも複雑だし歌詞も意味不明だし、この曲は果たしていい曲なんだろうか?と思っていましたが、”ほんとのDance Chance Romanceは自分しだいだぜ” とか最高のこと言ってますね。

岡村靖幸さんの持つある種の”切なさ”について時々考えるのですが、一言でいうと「大人と子どものあいだ」にある存在の切なさ、どちらにもなれない寄る辺のなさなのかな、と思います。
上でご紹介した「イケナイコトカイ」にも「真夏の雨のように 18・19が蒸発したけど このぼくらは 今ならば大人だろか」という歌詞がありますし、社長が一番好きな曲「カルアミルク」にもこんな歌詞が登場します。(切なさしかない…)

あの頃のぼくは
カルアミルク飲めば 赤くなってたよね
今なら仲間と バーボンソーダ飲めるけれど
本当はおいしいと思えない

ここで『シティーハンター』の話に戻すと、このアニメは当時の子どもたち(社長も含め)にとって、かなり大人っぽい存在でした。製作とか監督とかアニメの詳しいお話は置いといて、素朴な視聴者として素朴な感想を言うと、ゴールデンタイムにもかかわらず全く子どもに媚びていないアニメだったんですよね。

タイトル通りまさに都会的な雰囲気でしたし、頻繁に出てくる下ネタ(「もっこり」とか…)も子どもにとっては「なんのこっちゃ」という感じでした。そしてその”媚びてなさ”が新鮮で、カッコよくもあったわけです。

そんな内容のアニメであることに加えて、主題歌の数々も当時としては新しいものでした。
いわゆる「アニソン」について詳しく知らなかったのですが、このページで歴史を追いながらわかりやすくまとめてくださっています。興味深い…

幼少期の記憶を掘り起こすと、アニソンといえば主人公の名前が歌詞に入っているようなオリジナル曲でした(たとえば『キャンディキャンディ』とか『Dr.スランプ アラレちゃん』とか…)。
それが徐々に、一聴するとアニソンとは思えないオリジナル曲が作られるようになり、そしてアニメとは関係ないところで作られた曲をアニメの主題歌として使用する、という例が増えていったという印象があります。

『シティーハンター』放映開始時は、ちょうどアーティストが自分自身で作詞・作曲をするような「J-POP」が生まれた頃でもあり、それまでとは全然違う「アニソン」だったわけです。

今でこそ、子どもに限らず大人も楽しめるアニメ作品はたくさんありますが、長らく「アニメは子どもが観るもの」という社会通念がありました。そんな時代の終わりに、おとなと子どもの間にある切なさを体現した岡村ちゃんと、子ども向けと言われていたアニメで媚びない挑戦をした『シティハンター』が放っていた魅力はとてつもないものがあります。

令和のアニソンでも魅力的なものがたくさんあるのですが、それはまた次回以降のお楽しみに…。

なぜ今回『シティーハンター』を振り返ったかというと、この夏こんな舞台があるからです。じゃーん!

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冴羽獠を女性が演じるのもさることながら、海坊主はどうなっちゃうんでしょう…? ヅカファンでなくとも気になって仕方ありません。

それではまた次回!

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