『埃の詩、書店から清掃の旅へ』

書店の店長として過ごした日々が終焉を迎え、新しい扉が静かに開かれた。時は、流れる言葉のように不確かなままで、私は清掃の世界へと歩を進めることにした。

書店の奥深い棚にしまわれた物語たちは、もはや私の指導の下には置かれず、代わりに私の手にはほうきが握られた。書物の匂いと取引の音とはさよならし、埃と共に闘う毎日が、新たな物語の始まりだった。

村上春樹の小説に登場するような不思議な瞬間、私は書店という街の一部から離れ、街全体を舞台にした新たな旅へと身を委ねた。清掃の仕事は、言葉の狭間にある静寂と、汚れの中に潜む奇跡的な美しさを同時に教えてくれた。

書店の店長から清掃会社の経営者への変貌。それはまるで夢の中で遠くの星を追い求めるような旅路だった。書物の枠を超え、埃を払い、新しい言葉を紡ぎだすように、私の新しい物語が織り成されていった。