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柔道整復師思うことあり。

 昨今の柔道整復(接骨)業界への信頼度はすべての分野において失墜している。その例としては医師や保険者、損保会社からの紹介・施術の許可が得られにくくなっている事や、事あるごとに患者様へ送りつけられる施術内容の照会などから容易に読み取れるだろう。

では一体何が原因だったのか。

 それは業界全体の医療(医療類似行為)としてのレベルの低さ、知識・経験の欠如、そして意識の欠落なのではないだろうか。
 一昔前までは個人経営の先生方が多かったのに対し、現在ではグループ経営などの多店舗展開を多く見かける。その大部分の従業員たる施術者は20代~30代の若者だ。中にはモデルかタレントかと思うほど容姿が整った者も多い。
 そんな若い施術者が、YouTubeやTikTokなどでワーキャー踊ったり○○○競争・○○○ゲームみたいなことをやって必死で集客動画を投稿している。
そもそも業務と何の関係があるのか。
利用しようとする顧客(患者)は何を目的に院を選ぶのか。
「うわー!イケメンとアイドルみたいな子ばっかり!行ってみよう!」
てなことを期待するのか?

 また、一見すると派手なパフォーマンスを披露する院も多々ある。
中には本物のしっかりとした技術をクールに見せつける施術者もいるが、勢いに任せたパフォーマンス動画を投稿している大部分の院は危険極まりないスラストを披露する。
モーションパルペーション(骨指標等を利用した動触診)を一切行うことなく、大きく勢いをつけてマニュピレーション・スラストを行う。
ケガはもとより症状の悪化や下手すれば死につながる事故が起きかねない。
「バキバキ!よし!オッケー!」
スラスト後に評価をせず音が鳴れば完了だと。

対してしっかりとした施術者は、必ず評価をする。
「どや?動かしてみ?痛くないやろ?」
技術の本質を理解している。
鳥肌が立つほどクールだ。もはや言葉は要らない。

そこにエビデンスのある正しい知識(理証・文証)と優れた効果を表す確固たる技術があるからだ。

 また以前、柔道整復師会の学術部長がこう言った。
「施術や処置が正しく行われていれば冷却湿布だけで強い薬は要らない。」
まったくその通りだ。
足関節の捻挫で急性期に第1~2類医薬品の鎮痛消炎パップ剤を貼布しただけの場合と、薬剤無配合の冷却材と綿包帯による固定を施した場合を比較すれば、圧倒的に後者の予後が良い事は言うまでもないだろう。

そういう正しい知識と経験の上に培われた確固たる技術を武器に、どの分野からも
「こんな時は柔整師の施術を受けたほうがいい」
「〇〇接骨院に紹介すれば間違いない」
「あの先生にお願いしよう!」
そんな信頼関係を築き上げていきたい。

我々しか出来得ない、我々だから出来るものを提供していこう。
そういう業界になろう。

そう思ってこのnoteを作り上げて行きたいと思うのです。

技術・知識は勿論のこと、勉強会で書き留めたメモや、院の売り上げ増加のためのアドバイス、たまには日ごろのそれとない話も出来れば。

恐々謹言


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