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車の話いろいろ

雪道・どうする・・・

冬になって、雪が積もっている地域も多くなってきた。関東や関西の都心では、雪が積もることはあまりない。さて、雪のドライブにおいて、心しておきたいことを話そう。普段から雪が積もっていて、雪上ドライブになれている人ならともかく、都心からドライブ旅行に出かけて旅先で雪に降られてしまったという経験をお持ちの方も多いかと。そんなとき、どうすればよいかをアドバイス。(ノーマルタイヤの場合)
〇雪の降り始め
道路はまだ雪が積もっていないとき、まださほど警戒する必要はない。道路が白くなっても、わだちが黒い(雪が積もっていない)状態でも、大丈夫。
〇道路が白くなったら
車を停止して、雪に降れて見よう。ふわふわで、路面も凍ってないようなとき、これもさほど心配することはない。圧雪路は概ねタイヤのグリップ力が保たれるので、「急」のつく動作をしなければ大丈夫。
〇雪が道路にも降り積もってきたとき
車の往来が少なく、積雪が多くなると、道路も圧雪路から新雪路に変わる。こうなると、ノーマルタイヤでの移動は危険。目的地までの距離を考慮してルートを変更するか、場合によってはその場で停止して、どう過ごすか考えよう。
〇道路が凍っているとき
雪が降ってなくても、道路が圧雪路になっている場合、これもまた、一旦車を止めて、さわってみる。凍ってなければ何とか走れる。こし凍っている場合、車を動かさないほうがよい。チェーンを持っているのなら迷わずに装着しよう。
〇結論
ノーマルタイヤでは雪上を走ることは、基本控えたほうがよいが、圧雪路で且つシャーベット状ではなく、且つ凍結もしていない場合は、走れる。その状態のとき、タイヤショップに駆け込みタイヤチェーンを購入しておこう。
〇余談(知っていると得する)
・4WDの車は雪に強いか?
走行性能という点においては、4輪がすべて回る車である限り雪に強いと言える。しかし、停止性能(制動性能)については、FFやFRの車と比較しても大した差はない。
・雪の日のドライブテクニック
「急」の付く動作は禁物と話した。それ以外にやってはいけないことがいくつかある。(逆に言うと、やったほうがよいこと)
まず、ブレーキを極力使用しない運転。いや、ブレーキ使わなければ止まれないじゃんといわれそうだが、そうではなく、基本的にハンドルを切っているときはブレーキは踏まない事。直線のときだけに限定する。ただし、下り坂では直線道路でもブレーキは極力使用しないこと。まず、下り坂に差し掛かるところで一旦停止(安全確保の上)。そこから、ATであればギアを2に。CVTであれば、Bに。マニュアルであれば、2速に。シフトアップしてはいけない。ブレーキではなく、むしろアクセルを踏んでスピードをコントロールしよう。坂道や、カーブの途中でのブレーキは、スピンするというリスクが伴うことを忘れないでほしい。下り坂も、カーブも、アクセルを踏みながら走り抜けて。ただし、スピードはごく低速で。
 「急」の付く動作は禁物、に、例外が一つだけある。何かが飛び出してきたなどといった危険回避の場合だ。この場合は、思いっきり躊躇なくブレーキを踏んでよい。ABSという、タイヤのロックを防いでくれる機能が働くためだ。タイヤがロックしないということは、タイヤの転がる方向に車が進んでくれることを意味する。
発進時のテクニックで、2速スタートというのがある。とくに上り坂の途中で止まった状態からの発進のとき、1速ではトラクションがかかりすぎてタイヤが空転してしまう。そんなときは2速、あるいは3速にしてやんわりと発進すれば動きだすことができる。ただ最近の車は一旦停止すると1速に固定されてしまう車がほとんどなので、その場合はサイドブレーキを半分くらいかけたままスタートするというテクニックもある。いや、最近の車はサイドブレーキなどというメカニカルなものはないので、これは使えない車が多い。
 最後に、停止時のテクニック。
雪道のドライブで特に重要なのが、ブレーキということは前述したとおりであるが、停止する際にもこのブレーキを極力使わない運転を心がけるとよい。ギアを1速ずつ落としていこう。セカンドギアまで落としたらゆっくりブレーキで止まろう。

おまけ:BEVの思わぬ効果
雪の日はBEVは苦手とされている。理由は、バッテリーが本来の性能を発揮できないことと、ヒートポンプでの暖房にエネルギーを使ってしまい本来の
走行距離が短くなってしまうこと。雪に弱いBEVと思われがちなのだが、一つ雪道で有利な強力な機能が備わっている。それが、回生ブレーキ。俗にいうところの、ワンペダルドライブだ。これだと、ブレーキはほぼ必要なくなるため、スリップやスピンのリスクがなくなる。快適に急坂を下れることになる。

雪道では皆さん安全運転を・・・
車間距離は適切に。


パワートレインの違いによるコスト

車の燃費って、車に乗っている人(オーナー)ならだれても気にすること。
カタログに記載されている燃費など、とてもじゃないけど達成したことないとか、カタログ値は大げさだとか、よく聞く。
カタログに記載されている燃費の算出方法はいくつかあって、最近もっとも実燃費に近いと言われているのは、WLTCモードでの計測値。
車を購入される際、注意すべき点としては、カタログ記載の実燃費のうち、JCO8モードの値。2017年から、昔の10モード、15モード燃費は現実にそぐわないということでより多岐な条件が設定されたこのモードが採用されるようになった。WLTCモードは、いわばグローバル規格であり、より実燃費に近い値が測定されるような条件づけがされている。
そう、注意すべき点は、WLTCモードと、JCO8モードも、現時点ではカタログに併記可能というところ。当然、条件がきびしいWLTCモードより、1~2割程度よい燃費を測定するのがJCO8モード。
燃費のよさが、車購入の決め手という方であれば、WLTCモードを基準として考えてゆくのがよい。

◆ガソリンか・ディーゼルか
ディーゼルエンジン搭載車は、おどろくほど燃費がよいことがカタログからわかる。これは、ディーゼルの燃焼構造に由来している。ガソリン車がスパークプラグによる火花をトリガーとして燃料を燃焼させている仕組みとちがい、ディーゼルエンジンは、燃料を高い圧縮率にして自然発火させている点が燃費に優位に働く。なぜ効率がよいかというのは置いておくが。
ディーゼル車は、燃費がよく、さらにトルクがあって力強く、そしてさらに燃料そのものが他と比較して相対的に”かなり”安い。いいことずくめである。
以下にガソリンエンジンと比較した試算をしてみよう。
ガソリン:180円
軽油:140円
ディーゼル燃費:リッターあたり20Km
ガソリン燃費:リッターあたり17Km  (最近のガソリン車はかなり燃費がよくなっている)
この条件で、1か月1000キロ走行したときのコスト
ディーゼル:1000km / 20 × 140 = 7000円
ガソリン:1000km / 17 × 180 ≒ 10590円
なんと、3590円もディーゼルのほうが安上がりだ。年間にして43,800円も!
ランニングコストは圧倒的にディーゼルの勝ち。では初期費用はどうだろう?一般的に同一装備でエンジンがガソリン化ディーゼルかで、価格はディーゼルのほうが35から50万ほど高額になる。(排気を処理するプラントなど、かなりの設備が必要なためだ。)
と、いうことは仮に40万円お高いとして、先ほどの年間43800円のランニングコストをペイできるのは、9年と2か月乗った以降となる。この期間を堺にトータルコストでガソリンを下回る事ができる。月に1000キロ以上乗る人で、ディーゼル特有のガラガラ音がゆるせて、ノイズにも免疫がある人なら魅力はありと言えるのだが、どうやら10年未満で乗り換える人にとってはガソリン車のほうがトータルコストは安そうだ。

◆ガソリンか、ハイブリッドか
さて、燃費が格段に向上する技術として、日本のトヨタが発祥のハイブリッド車ってのがある。これは、モーターとガソリンをパラレルでタイヤ駆動のエネルギーとして利用するもので、モーターがアシストしてくれる分だけ、ガソリンの消費を抑えることができる。WLTCでは、リッター25キロ程度の車種が多い。実燃費は、私が経験した限りでは20キロ程度であった。(渋滞や校外、高速含め)。カタログ値である25キロとして計算してみよう。
HV:1000km / 25 × 180 = 7200円。 先ほどの、ディーゼルと同程度のランニングコストになった。さて、一概には言えないが、HV車と同一装備のガソリン車は、60万程度の差がある。ガソリン車の燃費がリッター18㎞だとしても、先ほどのディーゼルよりも、トータルコストではHVが突出している。
モーターのアシストによる力強い加速や、セルがない滑らかなエンジンスタートなどの魅力はあるものの、HV車は相当トータルコストが高くつくことになる。


◆BEVはどうだろうか?
一般的に、1充電あたり走行距離は400km は走らないと安心して出かけられない。急速充電で1時間で80%充電になるものと仮定しても、出先での充電はコスト高だしあまり積極的には利用したくない。試算のため日本で一番普及している日産の充電サービスの料金、一般で計算してみる。
月会費 1100円 急速充電 1分あたり99円 ごく一般的な60kwhの充電で試算してみると、日産リーフのバッテリー容量が40kwhであり、満充電まで40分。月に1000キロ走ると仮定して、電費が経験側にて6.5km/kwh  程度なので1回の充電で走れる距離は260キロ。ざっくり計算して1000キロ走るのには満充電を4回する必要がある。 会費1100円+40分×99円×4回=16940円
なんと、ディーゼル車のほぼ倍のランニングコストが必要になってしまう。え?ほんと?
本当です。
普段その辺しか乗らない人にとっては、急速充電は不要かもしれない。そこで、普通充電ではどれだけ電気代がかかるか試算してみよう。
家庭で供給できる充電量は3kwh。40kwhを充電するのに必要な時間は13時間と20分。1kwhの電気代は、東京電力スタンダードプランで、安い料金で30円。400円ですむ。これを4回なので、1600円と、ランニングコストは各段に安くなる。BEVを選ぶ真髄はここにある。つまりは、急速充電なんぞは使わないのがベスト。普通充電のみでランニングコストを抑えよう。。
ただし、トータルコストで考えなければ落とし穴にはまることになる。そう、イニシャルコストだ。電気自動車とガソリン車、同一車種で比較できる対象が見当たらないので、例えば上述のリーフの価格は売れ筋グレードで450万(車両価格)。それと、同クラスのガソリン車が、日産では見当たらないため、トヨタのカローラと比較。カローラの装備充実車W×Bが245万円。
BEVを普通充電で賄ったときの年間ランニングコストが19200円
ガソリン車のランニングコストが12万7080円。
差額は107880円である。
イニシャルコストはリーフのほうが205万円高いガソリン車とのイニシャルコストの安さでペイするためには19年乗り続けなければならないという計算になる。BEVを20年乗って、初めて元を取れることになる。
もちろんBEV車にしかない、静かで強力なパワーというアドバンテージはあるが、バッテリーの劣化というリスクも存在するわけで。補助金があるじゃないかと思う方もいると思うが、補助金をもらったとしても15年は乗らなきゃなのである。
私的には、安全装備が充実した、排気量の少ない、多段ATを備えたDセグピュアガソリン車(1500cc以下ターボ)が、もっとも快適に乗れてもっともメンテナンスフリーに近く、自由度が得られ、車両重量も1400kg程度な、ライトウェイトな軽快な走りができる一台をチョイスするのが、「イキ」だと思うという結論に達した。
要するにBEVはまだ10年早い。HVはお値段がたかい。ディーゼルは、クリーンだと言われてきたがやはりエンジン音がスマートではないと考える。あくまで私個人の感想であり、どんなパワートレインでもコストだけでは語れない魅力があることも承知の上の結論である。


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