『窓ぎわのトットちゃん』を観て  本当の強さとは


今日から公開の『窓ぎわのトットちゃん』を観てきた。

前半はユーモア溢れる描写も多く穏やかに観れ、後半はずっと涙腺がゆるみっぱなしだった。

観終わった後も心が揺さぶられたまま止まないが、出来る限りネタバレ無く、書いていきたい。


『窓ぎわのトットちゃん』は、学校や集団の中で困った子として扱われるトットちゃん(黒柳徹子さんの子供時代)が、転校先のトモエ学園で、個性豊かな仲間達と愛情溢れる先生と共に成長していく話だ。


社会生活を営む以上、今いる集団やコミュニティの中での常識や良しとされることに、先ずは沿ってうまくやる努力をすることは大事なことだ。

でも、それが上手く出来ず生きづらい人も沢山いるだろう。


その生きづらさに耐え続けて、絶望して、心身を滅す必要なんて無い。

どうしても苦手なことや短所を、強い圧力をかけて基準値に戻すエネルギーがあったら、自分が好きなこと、得意なことを伸ばすことに注力した方が良い、と映画を観て改めて感じた。


短所克服にばかり目が行くと、時には遺伝子レベルでどうにもならないのに無理をし過ぎて、焦り、怒り、自信喪失の渦に飲み込まれる。

そんな負の感情のループの中では、自分が得意なことや好きなことを考える心の余裕すら失ってしまう。

そうなると、毎日が楽しくない。自分が嫌いになるばかり。


それより、どうしても短所克服したいのなら、やるだけやってみて、駄目なら潔く諦める。

そして、それが得意な人達が周りにいたら、尊敬し、教えを乞い、時には頼ってみる。

その代わり、自分は自分で出来ることをする。

少しでも自分が得意なことを伸ばして自分に自信を持ち、毎日が楽しくなるように。

そしていつか周りに少しでも恩返しができるように。

得意なことって、そんなだいそれたことでなくてもいい。

人に親切にするとか些細なことでも良い。

そうしているうちに、自分に少しでも自信が持てるようになるかもしれない。

自信が持てたら、挑戦意欲が湧いてくる。

心の余裕が生まれれば、他者に優しくなれ、そのプラスの感情はいつか自分に返ってくる。


また、トットちゃんのように、今いる場所が合わなくても、別の所に自分を受け入れてくれる場所が見つかることもあるだろう。

もっと言えば、その別の場所も自分に合わないとしても、その中に1人位は自分を理解してくれる人がいるかもしれない。

そうなるまで、諦めずに行動し続けることだ。

その間、少なくとも自分だけは自分自身の良き理解者でありたい。


人間の本当の強さといっても色々定義はあるが、どんな環境に行ってもどんな状況になっても、リカバリー力を持ちながら、ほどほどに、しなやかに生きていける、それが本当の強さなのではないか。

その為には、他人の顔色ばかり気にせず、自分で決めた限界値まで頑張っても駄目なら潔く諦める、そして好きなことをしながら楽しんで切り替えていく。

自分軸を持つって難しいけれど、自分軸があるときっとしなやかに生きていける。

私自身においても、子育てをするにあたっても、考えさせられる、大いに参考にしたい、本当に良い映画だった。

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