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テスト採点中の戯言

学校の授業が少しずつ終わり、終講試験の作問・採点ラッシュの今日この頃。

看護学校は基本的にペーパーテストで1科目100点満点、60点以上で単位認定となります。

もちろん、皆合格してほしいです。
というか「それが学生としての責務だろ。」と思うのです。

看護師は国家資格です。
医師や弁護士と同じで、誰でも簡単になれる職業ではないと思ってます。

ある程度の理解力と思考力があり、
看護師に必要な専門知識を使いこなせて、
安全に業務を行える人が国家試験を突破すると思ってます。

学校の先生にお話を伺うと、
「留年して国家試験も厳しい学生の親御さんから、『成績が悪くても、うちの子だって職業選択の自由がある!!』といわれるんです…。」
と疲れ切った顔でおっしゃる先生もいます。

「あなたは知識も持っていない人に看護されたいですか?」
「パートナーの主治医や看護師がそんな人たちなら、どう思いますか?」「性格が優しいとか明るいだけでは、看護師になれません。」

きっと私ならそこまで言ってしまうだろうなぁ、とか考えます。
(だって、私はそんな人に看護してほしくないから。)

テスト採点をしながらそんなことを考えると、また一人、60点届かなかった子の解答用紙が出てきます。

「あー、やっぱりこの子かぁ・・・。」

こういう子は授業でも心当たりがあったりするもんです。

教壇の上

塾講師の経験がある方ならお分かりだと思いますが、
教壇ってめちゃめちゃ人の顔がよく見えるように作られてます。

隠れてスマホいじってるなんて、丸わかりです笑

「先生って、教壇でどんな学生をチェックしてるんですか?」
以前、教員の方からこんな質問をされたことがあります。

「悪目立ちしてる人を見てますよ。」

正直真面目に勉強してる人は、自分で勉強をこなす体力も習慣もあるので安心だなと思えます。
悪目立ちする人の態度で、ある程度の心理状況が読めます。

例えば、ペンを持ったまま寝てしまう学生さん。
「夜寝てないのかな?」「長い時間座って勉強する体力がないのかな?」
「バイトで疲れてるのかな?」と考えます。

1日中寝てしまう場合には、何かしらの病気があるかもしれないので受診を勧めることもあります。

講義途中からペンを置いて頬杖をしている学生さん。
「この子には難しいのかな?」「あ、簡単すぎると思ってるのかも。」と、こちらの内容と学生さんの習熟度があっていない可能性があります。その子の意欲をそいでしまってますから、これは私の反省要素です。

個人的に「この子、危ないな。」と思うのは、講義開始時から机の上に何も置いていない子です。

「講義を受ける気がない。」のサイン。
このタイプで結構多いのが「看護師になりたくない。」です。

看護学校に来たはいいけど思ってた世界とは違ったとか、実習で患者さんが亡くなってしまって「こんなつらい思いするなんて…。」とへこんでしまうとか、受験学年になってから新しい夢を見つけてしまったとか。

こうなったら、もう勉強どころじゃないです。
まずは原因を探らないことには、どうしようもないのです。

学校の先生という強い味方

ありがたいのが、学校の先生に相談すると一緒に考えてくださる方が多いことです。

「あー、あの子、実は最近…。」
外部講師だと毎日の様子まではわからないので、こういう情報は本当に助かります。解決方法を見つけるためには、情報が多いに越したことはないです。

「え!!全然ノーマークでした!!」とびっくりされることもあります。
これはこれでよかったと思ってます。そのまま見過ごされてたと考えるとぞっとします。

実際、「先生が指摘した学生、やっぱり自分には合わないって気付いたみたいで自主退学しました。」とご報告を頂いたこともあります。

「ご本人が楽しいと思える仕事、見つけてほしいですね。」

病棟時代の先輩に「仕事が楽しいって思ってほしいんだよね。」と言われたことがあります。本当にその通りです。

そして「こんな楽しい世界へようこそ!」と言わせてほしいもんです。


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