立派な看護師じゃなくていい
「先生、〇〇学校の学生、まともに講義聞かないしどうしたらいいんですかぁー!」
予備校の新人講師にそんなことを言われる。
お前がそれを言ってどうする…。
そんな気持ちをグッと堪えて。
私「あのさぁ、学生にどうなって欲しいわけ?」
新人「え…?国家試験に合格して欲しい…?」
私「そりゃそうなんだけど。満点で合格して欲しいわけじゃないでしょう?どのぐらいの勉強レベルまで持っていきたいわけ?」
新人「え……。」
「こりゃ私の聞き方が悪かったわ。」と心の中で反省するのです。
当たり前のことを、当たり前にできる。
ピカピカの1年目看護師だった頃。
私が配属された病棟は、
「新人が育たない。」
「離職率が高い」
「子供がいる看護師は続かない。」
という素敵な病棟だったのです。
(私にとってはとても勉強になった職場でした。)
慣れない業務に、失敗の連続。
先輩たちをイラつかせ、「先輩たち怖い。こんなこともできないなんて恥ずかしい。」という気持ちでいました。
先輩たちも、何にもできない新人の教育に疲れていました。
そんな中、先輩と主任がナースステーションで話し合いをしていた所にたまたま居合わせたのです。
主任「あんたさ、新人にどうなってほしいの?立派な看護師になって欲しいの?」
先輩「違います。」
ガーーーーン。
あたし期待されてないんだ…。
先輩「当たり前のことが普通にできる看護師になって欲しい。」
主任「そうだよね。」
一瞬傷ついた気になった自分を恥じました。
私たちが看護師として生きていけるように、仕事で困らないようになって欲しかったんだと、その時ようやく気付いたのです。
そこから、一つずつ手前に落ちていることから出来るようになろうと、失敗しても前を向けるようになりました。
学生として当たり前のこととは?
看護学生に当たり前にできて欲しいことは3つあります。(あくまで私の個人的見解です。)
①挨拶と謝罪と感謝ができること。
②時間を守ること。
③できること・できないことを言語化できること。
「そんな小学生みたいなこと?」と思われるかもしれませんが、意外とできない子が多いのです。
二十歳も越えた学生になると、
授業中にゲームしようが、
友達とおしゃべりに夢中になろうが、
「大人なんだから、自分で気づいてよね。」と
わざわざ先生から指導されなくなります。
(特に大学生はこれに当てはまる学校が多い気がします。)
そのうち「誰も注意しないんだから、いいじゃん。」ってなるのです。
社会経験だって、アルバイトぐらいしか経験がない子がほとんどです。
社会人としてのルールを理解してない子供なんです。
ちなみに、模擬試験で高得点が取れる学生の特徴は、
①挨拶ができる。
②「今お時間大丈夫ですか?」と相手にきちんと聞ける。
③「ここまでは理解ができたのですが、ここの部分が分からないんです。」と自己分析ができる。
この3つだと、経験上思ってます。
合格率に伸び悩む学校では、挨拶もなしにいきなり「せんせーい、わかんなーい。」と参考書を持ってくる子が多いです。
しかし「どこが分からないのか教えて。」というと、言葉に詰まるのです。
受験も同じです。
まずできるようになって欲しいのは、
1年生で習うような基礎的なこと、
みんなが当たり前に解ける問題。
全国正答率1%みたいな、難しい問題を解けと言ってるわけじゃないんです。
看護国家試験の合格率は90%前後なので、当たり前のことを解くことでクリアできるのです。
まずは小さなことから習慣化です。
どんな看護師さんだって、看護師として当たり前のことをできてこそ、キャリアアップしたり、人のために役に立てる人になると思ってます。
立派じゃなくていい。
日常生活のことを当たり前に。
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