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Vol.37#挑め!Leading Article/国王の癌

その日のLeading Articleから解釈の決め手となった語彙を記録していきます。身につけば読む事がどんどん”楽”になります。

チャールズ国王が癌の診断を受けた事を公表しました。癌を取り巻く医療や環境は進歩しているとはいえ、癌の宣告は衝撃的なものであり、国王も例外ではないはずです。

国王の心境を思いやる表現を調べながら、読み進めていきましょう。



◎今日のLeading Article:国王の癌

Just as attitudes to cancer have changed, so have the possibilities of living and working alongside the disease. The King has indicated that during his specialist treatment, expected to last for several months, he will not undertake public-facing duties. He will, however, be able to continue with state business and official paperwork as usual.

Technology can also ease the burden: should his weekly audience with the prime minister not be possible in person, it can take place remotely. The Prince of Wales and other working royals will step up to assist with diary commitments.

It is no doubt a source of frustration to the King that after waiting for so long to ascend the throne he now finds his activities constrained by ill health. In nearly eighteen months as King he has provided reassurance to a country shaken by the loss of his mother, the longest-serving monarch in British history. Internationally, he has exemplified the value of British “soft power”: his interventions on favoured causes, such as his speech at Cop28, have been thoughtful, and his state visit to Germany regarded as a great success. Throughout, he has stoically weathered storms within the family, a source of anxiety which will hopefully abate as he focuses on recovery.

□解釈のポイント■■■

① diary commitment /年間予定

diaryは日記帳ではなく、どちらかといえばスケジュール帳の意味です。毎年実施する事が定例化している公務を指します。

国王が出席する予定となっていた年間予定については他の王室メンバーが支援を引き受ける(step up to assist)という事ですね。

②ascend the throne/即位する

即位するという言葉です。throneはもともと座る場所という意味の言葉です。王の地位につくという感じですね。

相当長い皇太子期間を経て、国王になったのはついこないだでしたが既に高齢、75歳です。健康の問題がでてきてもおかしくありません。

③abate/和らぐ

嵐や苦しみが和らぐという意味です。

身内のスキャンダルに耐え忍ぶ事、多かったですよね。ダイアナ妃の死、その子供達のやんちゃっぷりは現在進行形です。せめて治療中くらいはそっとしてあげてよという感じでしょう。


■試訳

癌と向き合う姿勢が変わってきているが、この病と共に生きて働いていく可能性も昔と同じではない。国王は特別治療の期間は数ヶ月に渡り、対面での公務を執り行うことはできない事を示唆する発言をしているものの、国の仕事と書類の業務については通常と変わらず継続できるだろう。

テクノロジーによって負担が和らぐということもある。毎週おこなわれる首相への謁見にが仮に対面で難しい場合でも、リモートでの実施が可能だ。また、ウェールズ公をはじめとする現役の王室関係者も予定されている公務を引き受けることだろう。

国王自身がやるせない気持ちであるのは明らかだ。かくも長い待機期間を経て即位したら今度は健康上の問題で活動が制約されるのであるから。実母であり、史上最長の在位した君主を失い動揺していた英国国民を励ましてくださったのがわずか18ヶ月前の事である。国外でも国王は英国のソフトパワーを体現してきた。COP28での演説など課題への取り組みなどは思慮に富んだものであった。またドイツ訪問も大成功とされている。これまでずっと国王は身内の波乱と向き合い感情的になる事なく耐え忍んできた。そうした不安の原因も回復に集中するにあたって和らぐ事が望まれる。

◇一言コメント:

週次で行われる首相と国王の謁見は英国の伝統です。それも今ではリモート可なんですね。国王陛下、資料はチャットに投げときますなんて言ったりしているのかもしれませんね。

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