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くしゃくしゃの心に寄り添うアイロンのように

昨日、特に何とあったわけではないが
心が疲れ切っていて
やさぐれていた。
心がくしゃくしゃと握りつぶされた
紙切れのよう。

仕事もあるし
育児もある。

仕事は、投げ出したくなる衝動を抑えて淡々と終わらせる。
子どもたちの話を淡々と聞くなんて、もっと心が干からびて嫌な奴に成り下がりたくなくて、子どもたちが満足して話せるように穏やかに聞いた。
(側から見ると、疲れ切った状態で聞いていただけかもしれないが・・・まぁいい。)

そしたら、くしゃくしゃになった心を子どもたちがアイロンをかけてくれた。

娘ちゃんは、学校で友達が喧嘩しているのを、どう止めればいいか悩んでいる話をしてくれた。

怒っている時には、止められないんだけど喧嘩別れした後に泣いている子のところに行って、
「何があったの?」とか
「今は無理でも話せるようになったら教えてね」と言って背中をポンポンするらしい。
「一人になりたいなら別のところに行くよ?」とか伝えて相手が落ち着くまで待っていることを教えてくれた。

泣いている子が
正しいかどうかは分からない とか
両方の意見を聞いているのかな とか
つい考えてしまうけれど、問題を解決するのは周りの立場ある大人が頑張ってくれたらいい。

喧嘩している子には、仲間(友達)が寄り添ってくれたという事実が嬉しいんだと思う。

泣いてくしゃくしゃになった顔と心を少し明るく広げてくれるのは、誰かの優しい手のポンポンかもしれない。

息子ちゃんの話は、
泣いた人の立場の話だった。
喧嘩したんだって。
意図してないところから、
相手と喧嘩したらしい。
そんなことで? どうしてそうなるの? という出来事ばかり。
幼稚園の先生から聞く話でも、それは息子ちゃんがかわいそうになるくらい。
一生懸命、話してくれた息子ちゃん。
ワタクシは、あなたの母親。味方だ。
話を聞いていると息子ちゃんは手を出していない。
えらいぞ!すごいぞ!
今日を泣いた日で終わらせたくないので、アイスクリームを買いに行く。
大好きなアイスクリームを食べた日に上書きした。

娘ちゃんにも、大好きな雪見だいふくを買って渡してあげる。
飛び上がって喜んでいた。
あの笑顔、とっても素敵。

くしゃくしゃの心は、アイロンをかけても元の真っさらにはならない。
その分、味わいのあるシワが積み重なる。

そうやって、
ワタクシも生きてきたんだよなぁ。


最後は、ワタクシの話。

子どもたちの話を聞いて、みんな踏ん張っているんだと知る。
だからこそ、何かをしてあげたくなる。
アイスクリームやハグぐらいだけど。

大きなプレゼントもいらない
本当に小さなことでいい。
私を気にかけてくれたんだということが嬉しい。

ヘトヘト、ペコペコの私たち家族は、回転寿司で夕食にした。
ルーレットで当たるとコインがもらえるものをいくつか注文したが、驚くほど当選しない。
大人は当たったところで不用品が増えるだけたが、子どもたちは違う。
今日の嬉しい気持ちの上書きが増えていくから、手を組んで天に祈る。
「当たりますように、当たりますように」

当たらない。
やさぐれ母は「世の中そんなもんよ」と心で呟く。

頑張ったって、なんでもかんでも上手くいくことなんてそうそう無い。
やさぐれてる。

しばらくすると、少し離れた席のご家族のご子息が声をかけてくれた。
「メダル2つ当たったので、よかったらどうですか?」

優しさが私たち家族を包んでくれる。
娘ちゃんは、私に「知っている人?」と聞く。
知らない人なんだ。
けれど、人に優しくできる人なんだよ。
ありがとう。

くしゃくしゃの心が優しく、たくさんの人の手のアイロンで、ポンポンで広げられて明るく照らされる。

ワタクシも
いつかお返しできるように
この手を温めておきたい。

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