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【名盤伝説】 “Christopher Cross/ S.T.” 爽やかな南風を感じるAORの名盤。

お気に入りのミュージシャンとその作品について紹介しています。AORの定盤クリストファー・クロスの同名タイトル”Christopher Cross (邦題: 南から来た男)”(1979)です。

1951年USテキサス州出身。確かに南から来た男です(笑)。爽やかなハイトーンで優しく歌い上げるスタイルから想像される容姿とはかなり異なり、やや太めのおじさんでした。(自身の公式ホームページの写真がこれですから…)

https://www.christophercross.com

素顔も公開せずコンサートも行わない、楽曲の出来だけで勝負したプロモーション戦略が功を奏してアルバムは大ヒット。1981年のグラミー賞の主要5部門を独占。ビルボードの週間ランキングでも1位を獲得。プロデュースした名匠マイケル・オマーチアン会心の1枚といえます。

収録曲の特徴は、クリクロ本人のコンポーザーとしての才能と共に、曲ごとに入れ変わるギタリストと、多彩で個性あふれるコーラス陣を配したところにあると思います。以下に主な曲のクレジットを紹介します。

M1 Say You’ll Be Mine
   G-solo Jay Graydon
   Cho Nicolette Larson
 
M2 I Really Don't Know Anymore
   G-solo Larry Carlton
 
M3 Spinning
   Flugelhorn – Chuck Findley
   Vocal Valerie Carter
 
M4 Never Be The Same
   G-solo Jay Graydon
   Cho Marty McCall, Myrna Matthews, Stormie Omartian

M6 Ride Like The Wind
   Cho Michael McDonald
 
M7 The Light Is On
   G-solo Larry Carlton
   Cho Don Henley, J.D. Souther

新人シンガーソングライターのデビューアルバムとしては、実に豪華な布陣です。
名盤と言われる所以がここにもあります。

いつのことだったのか記憶が曖昧で大変恐縮なのですが(大汗)、クリクロがマイケル・マクドナルドと共に来日した公演が某クラブでありました。その時に演奏した「 Ride Like…」で、当たり前ですがレコードと同じ箇所で同じ声のコーラスが聴こえてきた時は、感動で震えました。

それは多分2007-08年頃の福岡だったように思います。東京での公演が都合がつかず、福岡公演を現地の知り合いと観ることになりました。早めに会場のある天神・新天町商店街の脇の道を歩いていて「ビルボードに来るミュージャンはホテルからこの道を歩いて来るんだよね」と話をしていたら、ちょうど白熊のようなマイケルがノシノシと歩いてきて驚いたという思い出があります。

2009年に閉店したビルボード福岡入口 (天神経済新より)
以前のブルーノート福岡

クリクロの作品としては1981年の映画「ミスター・アーサ」の主題歌「Arthur's Theme (Best That You Can Do)」(邦題: ニューヨーク・セレナーデ)が超有名ですね。とりあえず触れておきます(笑)。

そして収録曲の「Sailing」の秀逸なカバーバージョンがあるので紹介します。キーボーディストのRodney Franklin『Learning To Love』(1982)というアルバムに収録されています。ともかく美しい仕上がりなので是非ご一聴のほど。

泣きのサックスは全てトム・スコット。印象的なシンセベースはネイザン・イースト。ドラムはルーファスのジョン・ロビンソン。そしてギターは「マニアック」で有名なあのマイケル・センベロです。

マイケル・センベロは、それこそ映画「フラッシュダンス」の挿入歌でヒットした歌手としてだけでなく、コンポーザーとしてスティービー・ワンダーに楽曲を提供したり、プレーヤーとしても数々の有名ミュージシャンと共演したりと、かなりの過小評価を受けているミュージシャンなのですが・・・話が脱線しました。

長らく音楽を聴いていると(笑)、アルバムごとに色々な思い出があります。そうした記憶とともに永く聴き続けたいアルバムです。

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