【名盤伝説】” George Duke/ Dream On” ジャズ・ファンを唸らせたファンクな名盤。
MASTER PIECE ジョージ・デュークはUS出身のジャズ系キーボーディスト。幼少期に地元の教会でブラック・ミュージックの洗礼を受けたものの、学生時代には地元の仲間とジャズ・グループを結成して活動していたといいます。音楽院に在学中、あのアル・ジャロウと組んでクラブで演奏していたとのことです。
その後もクインシー・ジョーンズやフランク・ザッパ、ビリー・コブハムなどのグループに参加して、主にジャズ畑で腕を磨いていきます。
1970年にアルバムデビュー。前衛的なインストアルバムで、いきなりジャズの枠に収まらない独自の世界観を発揮しています。
1981年には古くからの友人だったという、ジャズ界の大物ベーシストのスタンリー・クラークと”クラーク / デューク・プロジェクト”を結成してアルバムをリリース。ジャズ・ファンクという新たなアプローチで、煩型のジャズ・ファンを唸らせます。アルバム収録の「Sweet Baby」はジャージーでメロウで、従来のジャズの概念を覆します。名曲です。
そんなデュークが1982年にリリースしたのがこの『Dream On』です。
プロデュースはデューク自身。リズム隊は、後にクルセイダースに参加するドラムのレオン・チャンクラーと、主にジャズ・ファンクなプレーが特徴のバイロン・ミラーという、何とも通好みのミュージシャンが参加。ギターはあのマイケル・センベロが担っています。
M1オープニングからいきなりダンサブルなファンキーなナンバー。LAフレイバーたっぷりで、ジャズなテイストは微塵も感じません。当時のディスコでも大人気だったようです。そういえば「Sweet Baby」はチークタイムの定番だったとか…個人的にはリアルタイムでは全く縁の無かった世界です(汗)。
M2はミディアムテンポで、アル・ジャロウにでも歌わせたいようなソウルフルなポップナンバー。デュークのファルセット・ボーカルはセンス良過ぎです。プロフィット・シンセのリフが印象的です。
M4は名曲「Sweet Baby」を思わせるような甘いスローバラード。やばいくらいソウルフルなナンバーの連続です。
M9はインストナンバー。デュークのクラヴィネットのリフとプロフィット・シンセのソロとシーウィンド・ホーン隊との絡みがめちゃくちゃ格好良いです。
これだけファンキーなアルバムを作っておいて、私はジャズの人ですなんて言わせません。徹底したジャズとファンクの融合を体現してくれたミュージシャンということでしょうか。
2013年にデュークは慢性疾患で、LAの入院先の病院で亡くなります。享年67歳、彼のファンキー・スピリッツはいつまでも語り継ぎたいものです。
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