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【名盤伝説】”Tony Sciuto / Island Night” AORの定番アルバム。L.A.の風に吹かれてCaféで和みたい。

MASTER PIECE AORといえばこの作品、トニー・シュートのデビューアルバム『Island Night』(1980)は、ファン必聴のマストアイテムです。

トニーはUS出身のSSWで、幼少期にはビートルズに傾倒し、20代になるとコンポーザーとして活躍していました。1979年にエピック・レコードと契約して、アルバムデビューします

M1 Island Nights Theme
M2 Island Nights
M3 Hold Back The Night
M4 You've Got A License (To Drive Me Crazy)
M5 Cafe L.A.
M6 Trapeze
M7 Angel
M8 Captain Wonderful
M9 Street Dancer
M10 Butterfly

オーケストラによる序曲に続いて流れるタイトル曲M2「Island Nights」は時代のまさに「ザ・AOR」といったギターが効いているサウンド。AORといえば都会的で洗練されたサウンドと評されることが多いのですが、都会なのに何故にアイランドなのか…。都会人のリゾートへの憧れをテーマにしているものと思い込んでいましたが、色々と調べてみると、このアイランドとはマンハッタン島のことで、まさに大都会ニューヨークのど真ん中での生活を歌っているようです。

海風を感じるM5「Cafe L.A.」、サーカスの空中ブランコ乗りの悲哀を都会人の憂鬱になぞらえたM6「Trapeze」などキャッチーな曲満載です。これらの曲は当時のドライブ用テープの常連でした。

AORなアルバムにありがちな、豪華な参加ミュージシャンで購買意欲を煽ることもなく、シンプルにサウンド・テイストやメロディが共感されたアルバムだと思います。強いて言えば、M4のギターにTOTOのスティーヴ・ルカサーが、M5のホーンにチャック・フィンドリートム・スコットが参加。ファンク系のセッションが多いDrsのエド・グリーンが大半の曲で叩いているのが目立つ程度で、サウンドの要のギターのほとんどはトニー自身が手掛けています。

その後のトニーは、AOR伝道師を自認する中田さんのレーベルCool Soundから未発表音源集や新作、81年の来日公演のライブ音源などのCDをリリースします。その後も2014年・16年にも新作アルバムが別のレーベルからリリースされますが、「あのアイランド・ナイトの…」の謳い文句から離れることはありません。

そもそもAORというジャンル自体が日本オリジナルなカテゴリーですし、海外ではほとんど評価されないアルバムが日本では大人気!なんてことも、よくありました。特にトニーのようなサウンドは、単にポップでキャッチーだけでは、本国では中々受け入れられなかったようです。

とはいえこのトニーのアルバムは、日本のファンには忘れられない1枚です。決してメジャーではありませんが、AORの定番として聞き続けたいアルバムです。



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