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【名盤伝説】“Joe Chemay / The Ripper The Finer”

MASTER PIECE L.A.のセッション・ベーシスト&ボーカリストのジョー・シャーメイ。新興ユニコーンレコードから1981年にリリースされた、バンド名義唯一のアルバムです。

ジョーは1951年生まれ。10代後半からベースを弾き始め、1976年のエルトン・ジョンのアルバムを初めとして、様々なミュージシャンのアルバムに参加しています。エリック・カルメン、ヘレン・レディ、レオン・ラッセル、ナイジェル・オルソン、そしてピンク・フロイドの『The Wall』にも参加するなど錚々たるキャリアです。

70年後半になると気の合うスタジオ・ミュージシャンがバンドを組んで活動するのが流行りになります。TOTOの大成功を筆頭に、MAXASラーセン・フェイトン・バンドなど。日々レコーデイングに明け暮れ、職人として制作者の指示に従い譜面通りの演奏を繰り返す中で、連日のように顔を合わせるミュージシャン同士、たまには好きに演奏したいよねという欲求が溜まってくるのは想像に難くありません。ジョーら一派もスタジオ繋がりの中でバンドを結成します。単なるレコーディング・ユニットだけでなくバンドとして活動もしていたようです。

この『The Ripper…』がリリースされた時の日本はAOR流行の真っ只中。日本盤はお得意のジャケット差し替え&謎の邦題命名作戦が遂行されます。このオリジナルデザイン・・・そのセンスはスミマセン、私には理解不能です(汗)。

オリジナル盤のジャケット
日本盤 帯のキャッチコピーが回りくどいです

ジョーのボーカルの上手さは、ベーシストが歌も歌えますのレベルを超えてます。その音域や表現力はボーカリストとしても十分仕事ができます。Full Albumの音源しか見当たらなかったのですが、12:00辺りからのA面収録ラスト「A Fine Line」が私のお気に入り。初めて聴いた時に、ブリブリいうベースラインが印象的で、あぁベーシストが作った曲なのだなと妙に納得してしまいました。

その他にも27:00「One Needs Another」と続く30:00「Never Gonna Let You Go」も良いです。

このアルバムも2002年に待望のCD化が叶いますが、その後は放置なのでしょうか。主な通販サイトではまともな取り扱いがありませんね。今時サブスクで良いので残して欲しいアルバムだと思います。


自分の中で勝手に2個1扱いしている、ジョーがプロデュースしたフランキー・ブリューのアルバムをこちらで紹介しています。併せてお聞きいただければと思います。知れば知るほどジョーの才能に感服してしまいます。


時代のAORなアルバムの紹介記事をこちらにまとめています。宜しければどうぞご覧ください。


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