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【名盤伝説】 ”Michael Franks / The Art of Tea” AOR四天王。究極の無国籍サウンドに酔うアルバム。

MASTER PIECE AOR四天王認定。まったりゆったりサウンドの帝王、マイケル・フランクスの2nd『THE ART OF TEA』(1975)です。

幼少期から特別な音楽教育をうけることなく育ち、複数の大学で修士・博士課程を履修するなど、お勉強好きだったようです。ただ文学やアートにも関心があり、1973年にはマイナー・レーベルからアルバムデビューを果たし、そしてメジャーレーベルからのデビュー作となったのがこのアルバムです。

プロデューサーは名匠トミー・リピューマ。アレンジャーにはニック・デカロを起用。彼らならではの、ややクラシカルではあるものの、ジャンルにこだわらない嗜好と透明感のある音作りは、それ以降のフランクスのサウンドの基本となります。フランクスの奏でるナチュラルで独特の世界感は、無国籍かつノンジャンル。一度ハマると病みつきになります。

ミュージシャンにはウィルトン・フェルダー(Bs)、ラリー・カールトン(G)、ジョー・サンプル(Key)、のチーム・クルセイダース。さらにまだ若手だったディヴッド・サンボーンマイケル・ブレッカーなどの実力者が参加して、上質な大人のサウンドに仕上がっています。

収録曲
M1 Nightmoves
M2 Eggplant
M3 Monkey See-Monkey Do
M4 St. Elmo's Fire
M5 I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad
M6 Jive
M7 Popsicle Toes
M8 Sometimes I Just Forget to Smile
M9 Mr. Blue

次作の『Sleeping Gypsy』(1977)ではボッサ調の嗜好が受けて、「Antoni’s Song (邦題: アントニオの歌 (虹を綴って)」の大ヒットでフランクスの名前も有名になりましたが、この『The Art…』は彼のオリジナルな指向性が明確に表現されていて心地よいです。

ゆったりボイスは唯一無二。心穏やかに心象風景と一体となるような音楽体験を、いつまでも楽しみたいと思います。



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