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“Mind Games / John Lennon”

[RADIO DAYZ] 1973 あの頃ラジオから流れていた懐かしい名曲を紹介します。

元ビートルズのツートップ、ポール・マッカートニーが自身のバンドとしてウィングスを結成して精力的に活動する中で、もう一方の雄のジョン・レノンオノ・ヨーコとの共作で政治色の強い作品を連発していきます。

当然のように?ヒットチャートを賑わすでもなく、セールスは低迷します。そんな中で少しは大衆にも受け入れられるアルバムにしようと1973年7月に制作を始めたのが『Mind Games (邦題: ヌートピア宣言)』です。

アルバム制作のためのセッションにはNYの実力派ミュージシャンが参加します。デヴィッド・スピノザ(G)、コードン・エドワーズ(Bs)、ジム・ケルトナー(Drs)、マイケル・ブレッカー(Sax)等々。制作意図からジョンのソロ名義での制作となりますが、ジャケットなどにはヨーコがあしらわれているにもかかわらず、このセッション開始と同じ時期に、ジョンはヨーコと別居生活に入ります。

そして同年10月に先行シングルとしてタイトル曲「マインド・ゲームス」がシングルカットされます。

短い制作期間に「えいや!」と作ったにもかかわらず、美しいストリングス風のスライドギターと、全編を通して奏でられる幻想的なギターリフは、ソロ活動後のジョンの作風を極めたといえる出来栄え。さすがです。歌詞も当然のように反戦のメッセージを踏まえた究極の愛と平和のバラードです。

USでは18位、UKでは26位とスマッシュヒットとなりました。同時期のポールやジョージがシングルヒットを飛ばす73年。ジョンはどうした!という中でのリリースに、少しホッとした記憶があります。

11月に発売されたアルバムはUK、USともにチャートインはしませんでした。ジョンのソロ作品としては、アルバム単位だと『イマジン』が全てだったということになるのでしょうか…。

ジョンとポールの凌ぎ合いが、名作を生み出すビートルズ神話のエネルギーだったことを思うと寂しい限りです。


夢中になってラジオを聞いていた頃の思い出をこちらでも語っています。

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