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【名盤伝説】 洋物FUSION系まとめ

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1970〜80年代を中心に洋物FUSION系のミュージシャンやアルバムを紹介しています。ジャズ系由来のボーカルアルバムもこちらで紹介しています。
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#音楽レビュー

【名盤伝説】 “Tom Scott / Apple Juice” 鉄壁のミュージシャンが支えるフュージョン・ライブ盤の名作。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。SAXプレーヤー、トム・スコットのライブ盤『Apple Juice』(1981)です。 トム・スコットはLA出身(1948年生まれ)。サックス以外にもエレクトリックなリリコンも得意としています。様々なスタジオワークと同時に、自身のバンドL.A. Express名義で何枚かアルバムをリリース後に、ソロ名義での活動を始めます。 1979年の名盤『Street Beat』に続いてリリースされた、ある意味絶頂期のアルバムと言えま

【名盤伝説】” Chuck Mangione / Feel So Good”

MASTER PIECE USのフリューゲル・ホーン奏者チャック・マンジョーネのアルバム『フィール・ソー・グッド』(1977)です。 名門のイーストマン音楽学校卒。デビューは1961と案外古く、実兄のギャスパ・マンジョーネと組んだジャズ・ブラザースというバンドでアルバムをリリースしています。ジャズ・ドラマーの大御所アート・ブレイキーのバンドに参加するなど元々はジャズの人。そんなチャックはラテン・テイストを全面的に盛り込んだポップ・ナンバーを演奏して評判となり、76年・78年

【名盤伝説】” Earl Klugh / Finger Paintings”

MASTER PIECE US出身のジャズ・ギタリストアール・クルーのアルバム『フィンガー・ペインティング』(1977)です。 10代の頃からレコーディングに参加する天才ギタリスト。ナイロン弦で奏でるギター・サウンドのジャズということで、かなり異色の存在でした。 設立当初のGRPのデイヴ・グルーシンに見出されて1976年にアルバム・デビューを果たします。そんな彼の3枚目のオリジナル・アルバムが本作です。 アルバムは同年のUSジャズ系チャートで6位を獲得、R&Bチャートで

【名盤伝説】 ”The Crusaders / SCRATCH” 時代を越えるフュージョン 伝説のライブ盤。

お気に入りのミュージシャンと作品を紹介しています。Fusion系(当時はクロスオーバーと呼ばれていました)の大御所、The Crusadersの1974年のライブ盤『SCRACH』です。 このアルバムを初めて意識して聴いたのは大学に入学してからのこと。メンバーのJoe Sample(Pf)の超名盤『Rainbow Seeker』(1978年)で彼らのことを知り、アルバム『Street Life』(1979年)のヒットで遡って聴くようになりました。時代はCafé & Barブ

【名盤伝説】 “Joe Sample / Rainbow Seeker” 心に響く愛のメロディ

MASTER PIECE フュージョン・グループクルセイダースのピアニストとして活躍していたジョー・サンプルの初ソロアルバム『レインボー・シーカー (邦題: 虹の楽園)』(1978)です。 収録曲 M1 Rainbow Seeker (虹の楽園) M2 All My Wildest dreams (野性の夢) M3 There Are Many Stops Along the Way (道草) M4 Melodies of Love M5 Fly with Wings of

【名盤伝説】 ”Wilton Felder / Inherit The Wind” もう一つのクルセイダース作品。

MASTER PIECE クルセイダースのサックス(ベース)プレイヤー、ウィルトン・フェルダーの3枚目のソロアルバム『インへリッド・ザ・ウィンド (邦題: 風の遺産)』(1978)です。 フェルダーは高校時代の音楽仲間のジョー・サンプル (Pf)、スティックス・フーパー(Drs)らと共にジャズ・クルセイダースを結成(1961)。ジャズとソウル・ミュージックのフレイバーを併せ持つ時代のクロスオーバーサウンドの先駆けとして人気を博しました。1971年にはバンド名をクルセイダース

【名盤伝説】 ”Grover Washington Jr. / Winelight” ニューヨークの香りが醸し出す極上のフュージョン・アルバム。

MASTER PIECE USニューヨーク出身のサックス奏者グローヴァー・ワシントン Jrのメジャー出世作『ワインライト』(1980)です。 名門ジャズレーベルCTIレコードのプロデューサー氏に見出されたグローヴァーは、1971年にアルバムデビュー。ファンク色の強いジャズ系アルバムを次々とリリースしていきます。その後レーベルを移籍して1980年にリリースしたのがこのアルバムです。 時代はフュージョン・サウンド全盛期、グローヴァーもその流れで、分かりやすいメロディに印象的な

【名盤伝説】"David Sanborn / Voyeur" あの頃の思い出とともにあるフュージョン名盤。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。デヴィッド・サンボーンの1980年リリース『Voyeur (邦題: 夢魔)』です。 当時、新譜情報の仕入れ先はもっぱら「ADLIB」とういう音楽雑誌でした。遊び場だった新宿の紀伊国屋で購入して、歌舞伎町のカフェ&バー「SUNSET」に向かいます。この店は、フュージョンやAOR系のアルバムジャケットが窓越しに飾ってあり、雑誌で紹介されている新譜も多くディスプレーされていました。当然BGMもそんな新譜がよくかかり、雑誌を見な

【名盤伝説】”Lee Ritenour / Friendship “ 超絶技巧の名人技を堪能できるDC名盤。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。フュージョンギタリストの代表選手、リー・リトナーの『Friendship』(1978)です。同名のアルバムが他にありますが、こちらはダイレクト・カッティング(DC)というミュージシャン、エンジニア含めて国宝級の一発技で製作されたシリーズの第3段です。 ダイレクト・カッティング(DC)とは、当時はLP盤しかなく、その製作の最終工程で必要な元の盤(ラッカー盤、スタンプの元のようなもの)に音源を直接刻み込む制作方法のこと。すな

【名盤伝説】 ”Larry Carlton / S.T.” 335の音色に酔う。LAクロスオーバー / フュージョンの不朽の名作。

MASTERPIECE ラリー・カールトンの不朽の名作『ラリー・カールトン(邦題: 夜の彷徨)』(1978)です。 ラリーは1948年USカリフォルニア出身。ハイスクール時代からギターを始め大学の音楽専攻を経て1968年にデビューアルバム『With A Little Help From My Friends』をリリースしました。その後はクルセイダースに参加してキャリアを積み、その後もスティーリー・ダンの『ザ・ロイヤル・スキャン (邦題: 幻想の摩天楼)』(1976)やジョニ

【名盤伝説】 “Stuff / S.T.” 伝説が伝説を呼ぶ、NY実力派ミュージシャンの魂がこもった名盤。

MASTER PIECE 伝説のクロスオーバー / フュージョン・グループスタッフのデビューアルバム『スタッフ』(1976)です。 1960年代後半のニューヨーク。当時スタジオ・ワークを中心に活動していたミュージシャンらが、連日ミケールズというライブハウスに集まりセッションを楽しんでいたのだそうです。 セッションはその日ごとにメンバーも入れ替わり、70年代になると次第にミュージシャンも固定していきます。ここに集まっていたのはコーネル・デュプリー(G)、リチャード・ティー(P

“Larsen-Feiten Band / Full Moon” (1982)

[ FUSION DISC GUIDE ] 新装版発行で差し替えられた幻のアルバム評です。 詳しくはこちらでお話ししています。 収録曲 M1 Phantom of the Footlights M2 The Visitor M3 Twilight Moon M4 Sierra M5 Brown Eyes M6 Hero's Welcome M7 Standing In Line M8 Little Cowboys こちらの記事もどうぞご覧ください。ニールとのことなど色々書

【名盤伝説】”Seawind / S.T.” (1980) ハワイの海風を感じるホーンセクションが心地よいフュージョン・バンド。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。ハワイ出身のフュージョン・バンド、シーウィンドの4作目で実質ラストアルバムの『Seawind (邦題: 海鳥)』(1980)です。 70年代初めに“OX”というバンド名で活動をしていたボブ・ウィルソン(Drs)とラリー・ウィリアムス(Key, Sax)が、1976年に活動拠点を地元ホノルルからLAに移しシーウィンドとして本格的にバンド活動を始めます。メンバーはボブとラリーの他、ポーリン・ウィルソン(Vo)、ジェリー・ヘイ

【名盤伝説】 ” The Manhattan Transfer / Mecca For Moderns” ジャズ・コーラス・グループがポップに変身!モダンサウンドの名盤。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。マンハッタン・トランスファーの鬼才ジェイ・グレイドンがプロデュースした2作目『Mecca For Moderns (邦題: モダンパラダイス)』(1981)です。 1973年にティム・ハウザーをリーダーとして、アラン・ポール、ジャニス・シーゲル、ローレル・マッセーの4人で活動を再開します。1978年に交通事故で負傷したローレルに代わり1979年にシェリル・ベンティーンが加入。同年ジェイ・グレイドンをプロデューサーとして迎