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歌舞伎シナリオ                 戦国天正合戦絵巻 野田城の戦い   第二幕 信玄終焉の地の場

 今月、11月19日(日)新城文化会館で行われる「新城歌舞伎」
第一幕は 地元の戦い「野田城の戦い」を舞台にした歌舞伎です。

野田城跡

元亀4年(1573)野田城は 武田信玄に攻められました。一か月持ちこたえましたが、井戸水を抜かれてしまい窮地に追い込まれます。

野田城本丸井戸跡

城主 菅沼定盈からの援軍要請を受け、徳川家康は笠頭山(吉祥山)までやってきたものの、敵兵の多さに援軍を断念、吉田城に帰ってしまいます。
討ち死にするか、降参するか迷う定盈の所に、敵から矢文が届きます。

吉祥山と笠頭山

定盈は、敵である武田信玄が毎晩城の西堀の向こうで芳休の奏でる笛を好んで聞いていることを知り、鉄砲の名手「鳥居三左衛門」に命じて、昼間のうちに信玄が座るであろう場所に鉄砲を仕掛けさせ、信玄が笛を聴きに来るのを待ち、闇に紛れて鉄砲を放ちます。

野田城本丸西側

信玄は笛の音に誘われて、野田城の西、座頭崖で笛を聴いていました。
「今ぞ、わが想い、殿の想い乗せ、種子島よ 信玄の元へ行くがよい!!」
三左衛門が鉄砲を放つと、座頭崖からは「大将撃たれたり!」という叫び声がしたとのことです。

信玄が撃たれた場所

信玄は撃たれたか、撃たれなかったか?諸説あるものの、この歌舞伎では、歌舞伎ならではの展開となります。
シナリオ製作者の意図は、「面白味を出す」です。
作者は、この歌舞伎を作成するのに、地元にある「野田戦記」を参考にしましたが、信玄が野田城城主・定盈と山家三方衆の三人の人質交換をする場面を義経千本桜の忠信キツネをヒントに、完全に創作しました。
これが吉と出るか、凶と出るか、一か八かの賭けで本番に臨みます。

作者は皆川登一郎氏

なお、タイトルは「戦国天正合戦絵巻 野田城の戦い 第二幕 信玄終焉の地の場」となっていますが、第一幕は戦いの前哨戦の場面で、今回は上演しません。

開演は13:30から
チケットは 当日券前売券 700円
高校生以下は無料です
新城文化会館大ホール
第二幕は「白波五人男」です