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手元に置いてある本 「仏像に恋して」

最近は2回目読むだろうと思う本はあまりなくて、読んだら売りに行ってしまったり、本屋でざっくり見て、図書館で借りようってなったりする。

それでも何冊か手元に置いてある。今日はそのうちの一冊を紹介しようと思う。

真船きょうこさんの「仏像に恋して」

漫画で仏像について説明してあるのでまず見やすく、とても楽しい。
しかも私のような入門者にわかるように難しい説明はなく入っていきやすい。
著者が興味を持ったいきさつから興味を持ってから訪れる場所ごとにご自身のいろんな背景も描かれていて1つの物語を読んだ気分になる。
本の表紙に書いてあるように、笑って、泣けて、勉強になる。
基本的に笑えるし、ほろっとするところは著者が家族や友人に寄り添う姿。私もちゃんと寄り添えてるかなあと振り返らせてくれる。

著者が仏像を好きになる最初のお寺が京都の東寺。
実は私が初めて五重塔の形を美しいと思ったのがそこだった。
駅から歩いている時に見える五重塔がすごく端正だった。美しいという言葉しかなかった。
まっすぐ建っているからなのかなんなのか自分でもよくわからないのだが、とにかく美しくてしばらく門まで近づかずに周辺の道路をうろうろして眺めていたくらいだ。

というわけで本屋で仏像の簡単な説明の本を探していた私はすぐにこれに決めた。
しかも仏像の絵や、配置がわかりやすくイラストで描かれているのでパンフレットよりもわかりやすく入門者の私にはもってこいだ。

父と姉がそれぞれ入院していた時にこの本を持って行ったら予想外にすごく喜んでくれた。
すぐに読めるので入院中のベッドで読むのによかったようだ。
2人ともお寺を訪れるのが好きで、それぞれ行ったことがあるところも多く余計に楽しめたらしい。

この本を読むにつけ父がとても喜んでいたことを思い出す。
日頃から多くの本を読む父だった。私にしたら難しい本とか読むんだなと思っていたので私の好みの本に喜ぶなんて意外だった。
「こーれすごくおもしろかったなあ。いい本やあ。よう貸してくれたなあ。」
と目を丸くして喜んでいた。
私の方が意外すぎて目を丸くしていた。
持って行っただけだし、しかもよかったのは真船さんの本の内容なんだけど、私が褒められた気になった。

ずっと手元に置いておく本になっている理由はそれもあるのかもしれない。

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