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昭和歌謡曲名詞集  『男なんてシャボン玉』

『バスルームから愛をこめて』
 山下久美子
1980年日本コロンビアよりリリース
作詞 康珍化
作曲 亀井登志夫

山下久美子さんの1枚目のシングルレコード、同時に同名のファーストアルバムもリリースされている。赤とグレーのおしゃれな配色のジャケット、お茶目な山下久美子さんの笑顔に目を奪われる。

恋人の浮気が発覚した夜。
傷ついた女心。
バスルームで涙を流しながらも、この恋を吹っ切って、もっともっといい女になってやる…という切なくも前向きな気持ちを歌っています。

ジャンルとしてはニューミュージック、シティポップと称されていますが、なんとなく60年代ポップスな感じもあり。
失恋ソングですが、暗くないのです。
メロディ、歌詞ともに、どこか明るさ、抜け感がある曲です。

男なんてシャボン玉
きつく抱いたら壊れて消えた

…グッときますね。
きっと恋人が、キラキラ虹色に輝くシャボン玉のように思えていたのに
そんな人だと思わなかった
キラキラ光る彼は、この恋は、どこへ?
ぱちんと弾けて、消えてしまった

恋の本質を捉えてますよね。
要するに、恋は儚い幻想…
恋はシャボン玉のようにぱちんと弾けて消えてしまう運命のものが、残念ながら多い。
消えずに、愛に変わるシャボン玉は少ないのです。
でも、バスルームで涙しながら、もっといい女になるんだ、と誓う女心は、シャボン玉なんかよりずっとずっと綺麗だと思うんですよね。

恋に傷ついたとき、フワッと優しく癒してくれる素敵な歌です。
浮気男をクズと一刀両断するのではなく笑、シャボン玉、なんて綺麗な言葉で思い出に昇華していくあたりも、いいな…と思います。

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