昭和歌謡曲名詞集 『秋には秋の色をした 男を見つけて恋をする』
『女はそれを我慢できない』
アン・ルイス
作詞・作曲 加瀬邦彦
1978年5月にリリースされた、アン・ルイス14枚目のシングル。
歌詞がまぁ過激。
悪女の高笑いが聴こえてきそうな、なんとなく気分がスッキリする大好きな曲です。
季節ごとに男を変える恋女が、
春の男、夏の男、秋の男をたぶらかし
それぞれに『お前なんかもう飽きた』と捨てるのです。
はい、無慈悲。
『秋には秋の色をした
男を探して恋をする
ヤボだね おまえはいつまでも
私を追いかけついてくる
バカバカしいのよ
お前の夢など聞き飽きた』
なかなか現実には、このようなセリフは言わないわけですが、『オブラートに包む』なんて、昭和用語とは対極にある、攻撃的なセリフの連発。尖りすぎていて、もはや爽快です。
昭和の価値観がよくわかる名曲、さだまさしさんの『関白宣言』がリリースされたのは1979年。その1年前にこんな悪女な曲がリリースされているのがなんだか面白い。
?女性は結婚したら家庭に入るのがベーシックとされていた時代にも、我が道行ってやるぜ系の女性はいたのでしょうね。
コンプライアンス重視の令和の世の中、多様性を認め合うことを重視するあまり、本音はずっーっと底の方に沈めている感じがするのは私だけでしょうか。
もちろん、他者を傷つけるような言葉は選ぶべきではない。
でも、あくまで創作の範囲であれば、この曲のような極端な悪女発言も楽しめる世の中であってほしいとも思うのです。
『あそび』というマインドが、あらゆるところであふれていた。それが昭和のいいところだった、のかな?