【大学院入試への道】2024年7月


今期も残すところ、あと少し!
7月は勤務校で毎年7月に開催している日本語スピーチ発表会の準備で忙しかった。
大学院留学生の多くは英語で研究論文を書き、研究室でも英語で担当教官と話すため、日本語学習のモチベーションが低い学生もいる。
そこで、14年前に3学部合同のスピーチ発表会を始めた。開催目的は日本語の向上ももちろんだが、他学部の留学生との交流も目的のひとつである。勤務校は各キャンパスが離れており(車で2時間以上!)、他学部の学生との交流はほとんどない。そのため、Zoomが普及する前からオンライン会議のツールを使って合同スピーチ発表会を開催してきたのである。
スピーチ練習をする中で、初級の学生は語彙、表現、ポーズ、イントネーションなど身につけていく。聞きやすい発表を目指して練習するので、徐々に日本語を話すことに慣れていって、スピーチ発表会後には聞きやすい話し方が身についている。
この活動を通して、言語学習には「誰かに伝えたい」という思いが必要だなぁと感じるようになった。私が中学校で英語を学んだ時には、正しい文法でアメリカ人のような発音で話すように教わった。だから、話すとき緊張してしまい、「伝えたいこと」よりも、知っている語彙と表現を使って「話せること」だけを話した。
スピーチで学生たちが「伝えたいこと」を生き生きと話す姿に、『ことば』というのはこうやって使われるべきなんじゃないかと思った。

日本語教師歴は長いが、ずっと「分かりやすい教え方」を工夫することに力を入れてきた。しかし、今は「ことば」だけではなく、ことばを使う「人」そのものに興味がある。大学院で学びたいことが、まだもやもやしていて、ハッキリことばにできないが、もっと本を読んで、本当に自分のやりたいことを探していきたい。

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