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「関係性」を大切にした空間づくりについて具体的に解説してみた

住宅は空間の仕切りの連続でつくられています。
この考えは世界中のどんな住宅でも同じです。

一定の仕切りが生み出す空間と空間の関係性。
このことを「重なり」と呼びます。

この「重なり」をどうすれば十分に表現できるか。
今回はそのことについて具体的に解説していきます。

各空間が独立しつつも、ほかの空間の気配を感じるような空間づくりには「重なり」の意識が大切になります。

具体的には、仕切られた空間をひとつの塊として捉えて仕切る、積み重ねるなど、重ね方を考えます。
そして、その土地にあった、光、視線、風の関係性や距離感を感じながら最適なその土地での正解をみつけて重ねていきます。

新たな空間がデザインできるように。

1 中庭を重ねる

中庭を設けても外部に閉じたような住宅は閉鎖的な空間になりやすいです。
その解決策として、中庭をいくつも配置する方法があります。
内部と外部の連続をつくることで、明るさと暗さの重なりが何層にもなって表現されるので、それぞれの空間に個性と落ち着きが生まれ、無理な仕切りをつくる必要性がなくなります。

中庭をたくさん

2 半透明

二世帯住宅の場合、下階を親世帯、上階を子世帯とするケースが多いです。
しかしとデメリットとして世帯同士がはっきり分けられてしまうので、せっかく二世帯で同じ空間で同じ時間を暮らしているのにつながりを薄くしてしまうことが挙げられます。

なので、空間の重なりを意識し、生活の気配が伝わる様に、ほどよい距離感づくりを行います。

具体的には、親世帯のリビングに階段で移動する際に、階段壁の一部を完全透明ではないすりガラスなどを用いて、その外壁側には開口部を設けるなど。
また、一階と二階の連続させた開口部を設けるなど。

そうすることで、光とガラスで移動する様子が程よい距離感で伝わることができます。



3 上下に

家族が異なる場所に居たとしても、つながりを感じる家にしたい。

そのために出来ることとしては、リビングとダイニングの高さをずらしながら、空間をつないだり、ロフトなどを設けて個別の空間でも仕切りすぎないような、そのような佇まいをデザインすると効果的です。

段差が一メートル以下だと手すりも必要ないのですっきりと緩やかに空間を分けることができます。


上下に重ねる

4 一体感

狭小地に建つ住宅は、空間がフロアごとに分かれてしまい、全体の一体感というものが感じにくくなることが多いらしいです。
また、外部の空間とのつながりも弱く、閉塞感が出やすいです。

このようなことを解決するには、空間と空間、フロアとフロアが通じ合うような設計を意識してつくるしかない。

一例だと、すべての階が中庭に面した開口部を設けたり、その部分を吹抜けにする、フロアごとの仕切りの壁を天井まではりつけずに完全に区切りすぎないなど。

そのような事をすることで、家全体の一体感を感じやすくなります。


以上です!


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