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連れションの洗礼2

ジャイナです。
早速前回の続きです。

トイレに一緒に行くっていうことは、一緒に個室に入る事なのか?
と、混乱したままの私をよそに、その子はしゃがんで用を足し始めました。

まだ小学校に様式なんてない時代。
私は目のやり場に困って突っ立ち、ひたすら水を流すためのレバーを眺めていました。
チョロチョロ流れる音が終わったので、やっとここから出られるとホッとしたのも束の間
「ちょっと待ってね。」
とその子は言うと、今度は大きい方をし始めたのです。

ビックリして立ちすくむ私にその子は何か話していたけど、私は何一つ返すこともできずにいました。

永遠に続くかと思われたトイレの時間もやがて終わり、私達は手を洗って教室に戻りました。
残りの昼休みをどうやって過ごしたのか全く覚えていません。
その女の子と仲良くなる事もなく、それぞれ別の友達と遊ぶようになっていきました。

強烈すぎて誰にも話すことができずにいたエピソード、ここで一つ消化できてよかった・・・。

その後小学校の高学年になったある日、掃除の時間だったかな?その初めての連れションの子が頭から血を流しながら廊下を歩いていたのです。タオルか何かで頭を押さえ、友達に付き添われて歩いていました。

歩いて行く方向を見ただけで、保健室に行くのだなと思いました。

後から別な子に聞いた話ですが、トイレの掃除を終えて立ちあがろうとした時にドアの鍵に思い切り頭をぶつけて切ってしまったのだとか。聞いただけでも痛そうで出血に弱い私は血の気が引いてしまいました。

そしてその子はその流血エピソードを作文にし、作文コンクールに提出し、見事に受賞して学校の体育館の壇上で発表していました。

私と連れションに行ったこと覚えてるかな・・・。

とぼんやり考えながら彼女の発表を聞いたのでした。

終わり。

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