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【福祉note】『たかさんと私』#4 きっかけが缶チューハイだったとは言い出しづらい

たかさんは気持ちを伝えることが極めて得意ではないため、昼夜を問わず支援が必要です。たかさんへの伝え方も工夫が必要です。

就業規則に守秘義務がある関係で詳細を語ることはできないんですが、いろいろあって「日中、職員が日替わりで支援に入る」ことになりました。

施設ではなく病院で、意思疎通が極めて苦手なたかさんに日替わりで支援? 
それはダメだと言い出せないまま、もやもやした気持ちを抱えて帰宅しました。

そしてその日の夜。
当時は冷蔵庫に缶チューハイを2〜3本ストックしていました。飲み慣れたいつものお酒を1口飲んだその瞬間、

「…不味い」

何だこの不味さ…。べつに体調は悪くない。だとしたら考えられる原因はたった1つ。

たかさんへの支援方法が間違っているんじゃないかという気持ちを言い出せないまま帰ってきたせいだ。

たかさんにちゃんと気持ちを伝えよう。
そう心に決めて、翌日上司に自分がメインで支援に入ろうと考えていることを伝えました。

たかさんの支援に入ろうと決心したきっかけが、「缶チューハイが不味く感じたから」だったとは…さすがに言い出せないまま、もうすぐ7年になります。

舞台は彼が入院している病室へ、そして巻き起こる伝説の「白ご飯事件」。
たかさんと私が奏でる【福祉の音】はまだまだ続きます。


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