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#青ブラ文学部 × 福祉っぽいコンテンツ
その日、私はカミソリを手に、追い詰められていた。
単刀直入に言おう、
剃るべきか、剃らざるべきか。それが問題だ。
そう。私は今、剃るかどうかで悩んでいる。
私は介護士。障害のある人を支援する施設に通う介護士。
そんな私が、今ココで剃るべきなのか?
…まずは冷静になろう。
先日、ご利用者さんから相談された時に答えたじゃないか。
「気持ちが焦ってしまった時こそ、深呼吸してみてはどうですか?」と
深呼吸だ、深呼吸。
吸って、吐いて、吸って、剃って…。
だから落ち着けって。
私は「ハンデ」を『強み』に変える生活支援主任だろ。
こういう時は「リフレーミング」だ。
ビジネスの専門用語と思われがちだが、介護の世界でも通用する考え方じゃないか。
時間がないから簡単に説明すると、「物事を別な側面から捉えることで、短所と思われていたものが、長所に見える」というアレだ。
そう。つまり、剃る「べき」か剃らざる「べき」かではなく、
剃りたいか剃りたくないかで考えたらどうだ?
そりゃ剃りたいよ!
世界の中心で「剃る!」と叫びたいよ。
…あれ? なんで今こんな事になってるんだ?
改めて問題を整理すると、自分史上最大の寝坊をして、ひげ剃ってなくて、剃ってると遅刻確定で…
そう! 遅刻しそうなんだよ!
でも無精ひげがすごいんだよ!
剃りたいけど剃ってる時間無いんだよ!
ああ、あいにくひげ剃りはカミソリ派でね。
電気シェーバーは持ってないんだよワトソンくん。
…だめだ、この状況が楽しくなってきた。
ええい! こうなったら…。
「おはようございま〜す!」
「おはよう、今日は珍しくギリギリだったね。」
「え? ええ、ちょっと道が混んでまして…。」
「顔色良くないね。朝ごはん食べた?」
大急ぎでひげ剃りだけして、普段使わない高速道路をかっ飛ばして出勤しました。とは流石に言えないな…。
さあ、送迎に行く時間だ。
(763文字)
山根あきらさんの企画、「青ブラ文学部」に応募してみます🤗
募集要項はこちら↓
私が結婚してすぐの実体験と酷似していますが、
「この物語はフィクションです」
ということにしておいてください、どうかお願いします🙏
作中、強引に登場させた「リフレーミング」については、明日改めて記事にしてみようと思いますので、お楽しみに
山根さん、いつも楽しい企画をありがとうございます🍀
それでは今日はこの辺で
ありがとうございました
また会う日まで👋
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