奈倉清孝

週刊誌を活動拠点に、フリーライターとして34年間執筆を続ける。今まで8000人以上の取…

奈倉清孝

週刊誌を活動拠点に、フリーライターとして34年間執筆を続ける。今まで8000人以上の取材対象者と接触し、中には命がけの取材も経験した。20年前からはさまざまな雑誌に官能小説を書き始め、現在週刊実話で「官能小説家書き下ろし」を連載中。

最近の記事

キツネの恩返し

●理名・27歳・OL  あるテレビ番組の真似をして、電動バイクを充電させてもらいながら2泊3日で北海道旅行をしました。北海道の人は心が温かく、誰もが快く充電させてくれます。ところが3人目のおじいさんだけは、かなりの変人でした。  あいさつした途端、「おまえはキツネの化身だな?」と突然言われ…。彼は数日前、ワナにかかったキツネを助けてあげたとか。だから、私が人間に化けて恩返しに来たと信じているようでした。  鶴ならともかく、キツネはずるいイメージがあるから少し抵抗あったけ

    • 巫女の純潔

      ●すみれ・19歳・巫女  半年前から神社で巫女として働いています。書道の有段者なので、いずれ御朱印を書く仕事を与えられる約束で採用されました。  ところが巫女の制服である装束の着付けが難しく、とても苦労しています。勤務中は白装束に紅色の袴を身につけるんですが、襟元が乱れてしまい、先輩から叱られてばかり。そんなある日、宮司さんから呼び出され、着付けの個人授業を受けました。 「服装のだらしなさは心の乱れから来ている」  彼は私の襟元を持ちながら、そこを大きく開いて直そうと

      • 私は水中のシンデレラ

        ●秋江・23歳・ホテル勤務  私は有名ホテルの屋内プールで掃除の契約社員をしています。ナイト営業を終えた後、濾過器を清掃したり、プールロボットを使って底のヌルヌルを除去する地味な仕事です。  勤務先のプールは「インスタ映えする」と若い女性に人気があり、誰もがスマホ片手に撮影しています。同年代の女が浮かれていい気になっている姿を見ていると、猛烈な嫉妬心が湧きました。 「あんたたちみたいなブサイク女より、貧乏だけど私のほうが輝いているのよ」  こう思った私は対抗意識から、

        • 迷いの理由はこれでした

           僕は今まで、ずっと取材を中心に活動してきました。その中でさまざまな日本の闇に触れることも増えます。だから、官能的な記事を提供すると同時に、誰も知らないとっておきの話をどんどん書こうと思っていたんです。  そう思ったきっかけは前立腺がんの疑いがあると病院でいわれたからでした。もしがんだったら全部の治療を拒否し、日本や社会の闇を暴露して、あの世に逃げるのもいいんじゃないかとひらめいたわけです。  ところが検査の結果、がんではないとわかり、まだ当分は生きられると思って…。暴露

        キツネの恩返し

          迷いがあって

           最近、いろいろ迷うことがあって更新できませんでした。その迷いが何なのか、今度説明しようと思っています。更新しなくても、定期的にスキを押してくださった皆様に感謝しています。

          迷いがあって

          愛の巣は動物の巣だった

          ●鈴夏・25歳・OL  私の彼は奥様に給料を全部握られているので、お小遣いは月にたったの1万円。ラブホテル代も出せない状態だから、いつもエッチするのは軽自動車の中でした。 誰もが連休で浮かれる中、相変わらず狭い車内で体を重ねるって想像したら、いつもは温厚な私でさえ、不機嫌になってしまいます。  貧乏不倫もそろそろ清算しようかと思っていたとき、「叔父から山小屋を譲り受けたから見に行こう」と誘われました。 久々にリッチなデートができると思い、胸が弾みます。90分ほど車を走ら

          愛の巣は動物の巣だった

          ETはスピルバーグ監督の映画、EDは?

           EDに悩む男性は全国に1千万人以上いると言われている。近年はバイアグラなど、男性機能を向上させる薬も出ているが、これらの薬品に頼らずにセックスライフを楽しむための小道具が売れている。それが、ハリウッドの特撮小道具製作技術を応用した、本物そっくりのペニスだ。 「僕は長年、ハリウッドの現場でシリコンゴム製の腕や足などを作っていました。それらは主にホラー映画の撮影場面で使うので、本物同様であることが求められたんです。帰国後、これでペニスバンドを作り、元気のない部分にハメれば、カ

          ETはスピルバーグ監督の映画、EDは?

          命令は上司を誘惑して動画撮影

          ●美智恵・22歳・OL  大学時代からつき合っている彼はド変態。先日も上司を誘惑してセックス動画を撮影するように命令されました。寝取られ願望のあるのか、私が外で他の男と上になったり下になったりする姿を見たいとか。  もちろん、それはとても嫌な行為だったんですが、希望に応えることが愛情だと信じて、一番気の弱そうな温水課長を誘いました。  彼は自他ともに認める草食系でイエスマン。当然、食事の誘いも断れず、その後のホテルも「入りましょう」と手を引くと抵抗できませんでした。

          命令は上司を誘惑して動画撮影

          ホストを守る護身グッズ

           最近、ホストたちの間で、刃物から身を守る「防刃チョッキ」が売れているという。自身もチョッキ愛用者で、ホスト歴4年のシゲル氏(仮名・25歳)は言う。 「僕らが使っているのは、刃先を通さない特殊な繊維で作られたチョッキです。今はファッション性も重視して作られ、スーツの下にさりげなく着られる薄いタイプが主流です。スリーピースのスーツにも似合うし、値段も8万円ほどで、この価格で命を守れると思えば安いものです。うちの店では万が一に備え、客とトラブルを抱えたホストには積極的に貸し出し

          ホストを守る護身グッズ

          消えた風俗 元祖耳かきクラブ

           92年、東京・池袋に「耳かきクラブ」がオープンした。当時30歳だったM氏が「今のサラリーマンは疲れ切っている。だから、癒しとエッチが合体した風俗なら必ず受ける」と考え、東京・池袋でこの商売を始めたのだ。  料金は60分2万円。女性に膝枕させてもらい、パンチラを鑑賞。その後はフェラ、シックスナイン、ディープキスまで付いてこの価格は安く、大ヒット間違いなしだとM氏は確信した。  ところが、開業当初からつまずいてしまう。耳かきのサービスタイムは10分だったが、客はその10分が

          消えた風俗 元祖耳かきクラブ

          売れる女優はここが違う

           芸能プロダクションの社長は、新人女優の性格から、すぐに売れる子を見抜くという。  というのも、大女優には必ず共通した傾向があるからだ。それは何か?数多くの大女優を発掘してきた芸能プロ社長は語る。 「女優で成功するポイントは、いかに男っぽいかです。女優は美しい反面、心は男でないと潰されるし同性から人気が出ない。要するに、売れる女優ほど同性から支持されるんです。大地真央、米倉涼子は典型的な男の性格だから、成功したのでしょう」    この社長によると、根っから女っぽい子はケチ

          売れる女優はここが違う

          取材日記 風俗ロス

           ペットの死をきっかけに極度のうつ状態になる「ペットロス」と同様、大好きだった風俗嬢が急に辞めたのをきっかけに立ち直れないほど落ち込んでしまう「風俗ロス」が急増している。  昔なら、なじみの風俗嬢が辞めて消息がわからなくなっても、すぐに気持ちを切り替え、次の子を探すのが当たり前だったが、今の若者は別れに対する耐性がまったくないので驚いてしまう。  特に女性にあまり縁のない若者は、風俗嬢を本当の恋人と思い込むケースが多い。特にデリバリー風俗では女性たちが「時間内は恋人でいま

          取材日記 風俗ロス

          ライバルは仏様

          ●加奈・26歳・看護師  私は奥様を2年前に亡くした10歳年上の人を好きになってしまいました。でも、離婚より死別のほうが女としては不安です。だって、きっと奥様との美しい思い出ばかりが残るはずだから。  色々迷ったけど優しい性格に惹かれて、結婚を前提にお付き合いすることになり…。そんなある日、彼は「自宅に来てほしい」と言いました。  それって、かなり本気なんだろうなと感じて嬉しかったです。家に上がると、リビングに仏壇がありました。そこには微笑する奥様の遺影が飾られています

          ライバルは仏様

          甥っ子への就職祝い

          ●美春・32歳・主婦  ダンナの甥っ子、大介クンが就活のためにうちへ数日泊まることになりました。ところがダンナは途中から出張が入り、家を開けることに。  2人きりで気まずいかと思ったけど、彼は社交的だから、とても楽しい時間を過ごしていました。3日目から緊張感も失せ、夕食時に晩酌したんです。 「美春さん、お酒強いでしょう?今日はガンガン飲みますからつき合ってね」  私が鹿児島出身だから、飲めるって思ったみたい。もちろん強いけど、お酒が入るとすごくエッチな気分になるから、意

          甥っ子への就職祝い

          亡くなった彼は童貞を失いたかった

          ●奈々・22歳・女子大生  最近、SNSで霊能者の若い男性と出会いました。霊の話は私も大好きなので意気投合し、会ってみたらいきなり「君の後ろにバイクのヘルメットを被った男がいるよ」と告げました。  この言葉を聞いて、私は思わず鳥肌が立って…。実は高校生のとき、当時つき合っていた彼はバイク事故で亡くなっていたんです。 「彼は童貞のまま亡くなったんだね。僕の体を貸してくれと言っているよ。未練を残していたらしい」    ここまで真実を当てられたら、もう霊能者だと信じるしかあり

          亡くなった彼は童貞を失いたかった

          優しいだけの人では満足できない

          ●すみれ・33歳・主婦  パチンコ店で5カ月前に知り合った5歳年下の彼は、柏木春人の大ファン。いつか官能小説家になることを夢見て、始終パソコンに向かっています。だけど、パチンコに負けた日は一行も書けないことがあり、「俺はダメだ。才能がないんだ」と机をガンガン叩きながら涙を流すんです。  作家志望の人がこんなに繊細だなんて知りませんでした。彼は涙が枯れるまで泣いた後、スッキリしたように爽やかな顔で、「新しい作品のヒントが浮かんだよ」と言いました。  そして押し入れの中から

          優しいだけの人では満足できない