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「人として大切なこと」は肩書きや年収には替えられないよ、という話

前の会社はクレドと呼ばれる社訓のようなものがあって、会社の責任、つまり大切にするべきことがわかりやすく書いてあった。

一番最初に出てくるのは商品を手に取る人たちへの責任。

入社時はもちろん、年に一度トレーニングを受けるほか、あらゆるポジションで絶えず必要とされる迷った時の判断基準を示した資料もあったり、実践に関するワークショップがあったり、なんなら人事評価にも適用されて、絶対的な存在であることがわかる。

今の会社でもまた、大切な価値観とそれを体現する行動指針があって人事評価も表彰もそれに準じるので何に沿ってがんばればよいのかはわかりやすい。

こうした、会社ごとの大切なものを大切にできる人たちが手を取り合うとよりよい仕事ができると思う。

だけど、それは、自律的に判断して行動できる個人がそこにいることが前提だと思う。

嘘をつく、不正をはたらく、個人の尊厳を傷つける、ハラスメントをする…そんな倫理観を欠く行動がはびこると、どんなに高い理想を掲げていても絵に描いた餅になってしまうと思う。

外資系でよく聞く言葉にdo the right thingというのがある。

売り上げがあがればやましいことを黙認していいのか、利益が確保できれば本来許されないことを見て見ぬふりをしていいのか、だれかの恣意的な言動で退職や休職に追い込まれる傷ついた人を何人も見て放置していいのか…

すべてnoになるはず。

人として大切なことをまずは疎かにしないことが当たり前の会社に勤めたいものである。

そう言う意味では良い会社に勤められてよかった、と思う今日この頃。

もし、今の会社は何かおかしい、と思うときそのままいると犠牲になりそうなものが「人として大切なこと」ならそれに替えられるほど大切なものなどないんだよ、と子どもたちが大きくなって働くときに言いたい。

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