見出し画像

仕事と家庭の両立に悩む大人にも。絵本紹介☆かこさとしさんの名作「からすのぱんやさん」子の楽しみ方親の楽しみ方。

かこさとしさんの「からすのぱんやさん」。

うちではお兄ちゃんが山ほどパンができたページに来ると「パンの時間だよ〜」と弟を呼びに行きます。

どれがいい?
お兄ちゃんの呼びかけに弟は指差しで反応します。

小さな人差し指が差した先はじどうしゃぱん。
最近はいつもこれです。
弟は車が好き。

そんな姿を見ていると永遠にこの時間が続けばいいのにと思ってしまうほど。
満ち足りた時間です。

私がこの絵本を読む時は、パンよりカラスのお父さんとお母さんが気になります。

可愛い4羽の赤ちゃんに恵まれ
パン屋のお父さんとお母さんは大忙し。
あやしたりおむつをかえたり。
店は荒れてお客さんが減って
だんだん貧乏になってしまいます。

それでもお父さんとお母さんは子どもたちがかわいくてかわいくて、がんばって働くのです。

お父さんもお母さんは、子どもたちも大好きだけど実はパンを作るのも大好きなんだろうなと思います。 

大変でも一生懸命続けること。
勝たなくても負けないこと。


大人になると、そんな力が大事になる局面は人生に意外に多いと気付きます。

からすのぱんやさんは絵本なのにそれを教えてくれる、驚きです。

子どもたちも、お父さんお母さんのパンが大好き。

最後はみんなで力を合わせて
評判の良い立派なパン屋さんになります。
親の背中を見て子は育つ。
4羽のカラスの子どもたちもすくすく育っていきます。

カラスのお父さんお母さんも、
貧乏でも焦げパンや半焼けパンができてしまって思うようにパンが焼けなくて悔しいはず。

それでも頑張り続けられるのは、パン作りが好きなほかにも、子どもたちに力をもらっているからかも知れません。

幸せと焦りとの狭間で。
楽しさと悔しさの狭間で。
がんばり続ける誰かの背中をそっと押してくれている気がしてなりません。

子どもたちがこの本を楽しむ横で
親も教えられることの多い本です。

おびただしいカラスがパン屋に向かう光景はパルチザンを参考にしたと後書に書かれています。

かこさとしさんは2018年に亡くなりましたが、昨年から続くウクライナとロシアの戦争ではウクライナのパルチザンが話題になりました。

かこさとしさんには遠く及ばないにしても、子どもにはむずかしいこの世界のあれこれを学び自分の言葉で語れる親でいたいと思わされます。

そして、やっぱりパンが食べたくなります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?