《詩》のぞみ
少しでもあなたにちかづきたい
髪をかきあげたとき
どんなふうに髪が揺れ動くのか
「雨」とあなたが発音するとき
どんなふうに唇が動くのか
どんなふうに言葉はひびくのか
空を見つめているとき
どんなふうに瞳が光るのか
見ていたい
あなたの羽織るシャツはうすい水色
みんなが待っている夜明けの色
どうぞふれさせてください
妖精が言葉を運んでくる
わたしの脱け殻のような
破片を拾いあつめて
もう一度わたしをつくる
すぐに壊れてバラバラになってしまうだろう
それでもわたしは
あなたにちかづこうとするのでしょう
あなたのシャツは妖精の羽根に似ている